中国を訪問している安倍首相は２６日夜、習近平国家主席と会談した。両首脳は、日中関係を新たな段階に押し上げることで一致した。

安倍首相「日中の新たな時代を習近平主席とともに切り開いていきたいと思います」

習近平国家主席「我々はこの歴史的チャンスをつかみ、中日関係発展の新たな歴史的指針とすべきだ」

今回、日中首脳は、日中関係の発展に向けて競争から協調へ転換することなど３つの原則を確認。「新たな時代にふさわしい、新たな日中関係を築いていく」との認識で一致した。実は、この「新たな時代」という言葉は、２期目の習近平政権のキャッチフレーズでもある。

同行筋によると安倍首相は、李克強首相との会談では「新たな段階」、習主席との会談では「新たな時代」と言葉を使い分ける作戦で、一層の関係改善を狙ったという。

また会談で安倍首相は、習主席の来年の訪日を求め、習主席は「真剣に検討したい」と応じた。来年６月に大阪で行われるＧ２０サミットにあわせた訪問が検討されている。

また、北朝鮮の非核化については、国連安保理決議の完全な履行の重要性をあらためて確認。拉致問題について習主席は、「日本の立場を理解し、支持する」と述べた。

政府関係者は、「アメリカも意識してか、日本の役に立ちたいという前向きな姿勢だった」と話している。

貿易摩擦によりアメリカとの対立が深まる中国と、今回「パートナー」であることを確認した日本。米中両国をにらみながらのバランス外交で結果を出していくことが求められる。