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未婚女性の卵子凍結保存で初のガイドライン

2013年8月24日 4:04
未婚女性の卵子凍結保存で初のガイドライン

 女性の卵子を凍結保存する技術が進み、健康な未婚女性が将来妊娠できるよう卵子凍結を行うケースが出てきている。日本生殖医学会は23日、卵子凍結の商業化に歯止めをかけようと、ガイドラインをまとめた。

 卵子の凍結保存はこれまで、主に放射線治療で卵子に影響が出る恐れのあるがん患者を対象に行われてきた。しかし、最近では健康な未婚女性が年を取って妊娠できなくなる前に、病院や民間企業に依頼して若い卵子を採取し、凍結保存するケースが出てきている。このような健康な未婚女性の卵子凍結に関してのガイドラインはこれまでなかったが、日本生殖医学会は倫理委員会を開き、初めてガイドラインをまとめた。

 ガイドラインでは、「年を取ることで性腺機能の低下を懸念する場合は、卵子凍結をすることができる」とした上で、「40歳以上での卵子の採取は推奨できない」「凍結保存した卵子を45歳以上で使用することは推奨できない」などとしている。また、凍結保存を行う施設には、凍結を希望する女性に対し、「凍結保存した卵子を使っても確実に妊娠するわけではない」ことなどを十分に説明して本人に同意を得なければならないとしている。

 日本生殖医学会・吉村泰典理事長「(ガイドラインは凍結を)推奨するものではない。自然妊娠で子供を産んでもらいたいということを強調したい」

 日本生殖医学会は来月13日の常任理事会でこのガイドラインを正式決定した上で、ホームページで一般からの意見も募りたいとしている。