×

猪瀬知事、他の五輪候補都市を批判か

2013年4月30日 1:08
猪瀬知事、他の五輪候補都市を批判か

 2020年夏のオリンピック招致を巡り、東京・猪瀬都知事のインタビュー記事が物議を醸している。アメリカの有力紙「ニューヨークタイムズ」が26日付の記事で、他の候補都市の批判ともとれる猪瀬知事の発言を掲載した。IOC(=国際オリンピック委員会)のルールに抵触する可能性があり、招致活動への影響も懸念されている。

 記事によると、猪瀬知事は2020年夏のオリンピック招致を目指すトルコ・イスタンブールを引き合いに出し、「イスラム諸国が唯一共有しているのはアラーだけで、互いにけんかばかりしている。階級もある」と発言したという。また、日本の社会の良さを強調し、「トルコの人も長生きしたいでしょう。長生きしたければ、日本のような文化をつくるべきだ」との内容の発言をしたという。

 IOCは、他の候補都市のイメージを損なうような発言を厳しく制限している。

 トルコ・クルチ青年スポーツ相は記事の掲載を受け、簡易投稿サイト「ツイッター」に「イスタンブールについてネガティブな評価をしたことは不公正であり、残念だ」とのコメントを発表、不快感を示した。

 発言をめぐる一連の問題に対し、猪瀬知事は29日夜、「私の真意が正しく伝わっていない。私には、他の立候補都市を批判する意図は全くなく、非常に残念だ」とのコメントを発表した。

 IOCは、「翻訳だけでは、知事が本当は何と言おうとしたのか定かではない」との声明を発表した。その上で、全ての候補都市に対し、改めて招致活動のルールの徹底を求めている。