×

イラン 核関連施設のカメラ交換に応じる

2021年12月16日 7:02

イランは15日、IAEA=国際原子力機関などが求めていた核関連施設のカメラの交換に応じることになりました。イランが交換を拒否し続けた場合現在進められている核合意の交渉が決裂するおそれもあったため、ひとまず最悪のシナリオが回避された格好です。

交換されるカメラは、遠心分離機の部品を製造している工場に設置されています。この工場は今年6月に妨害攻撃を受け火災の被害を受けていましたが、イランは、当局による現場検証が必要などとして査察官の立ち入りを拒否しカメラの交換に応じていませんでした。

監視役を務めるIAEA=国際原子力機関によると、年内に交換を実施するということです。

核合意の立て直しをめぐる交渉はイラン側がこれまで合意した内容を修正するよう求め、出だしから難航しています。

アメリカはイランがカメラ交換に応じなければ今年中にIAEAの緊急理事会を招集し非難決議の採択を働きかけるとしていたことから年内にイランが交換に応じるかどうかが注目されていました。

交渉関係者は、緊急理事会が開かれれば、核合意の交渉が決裂する危険性があったとしており、イランがカメラ交換に応じたことで最悪のシナリオが回避された格好です。

ただ、工場はすでに再稼働していて、年内に交換されても数か月間の空白が生まれます。また、IAEAは核合意立て直しのための交渉がまとまるまで監視カメラのデータにアクセスできません。