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急速な少子化で…中国、負担軽減へ“奇策”

2021年11月12日 8:53
急速な少子化で…中国、負担軽減へ“奇策”

中国では「一人っ子政策」の撤廃後も、急速な勢いで少子化が進んでいます。現在は「3人っ子政策」に加え、塾の新設や時間のかかる宿題を禁止するなどして対策。少子化が進む日本でも家庭の負担を減らすにはどうすればいいのか、廣瀬俊朗さんと考えます。


■中国の「少子化」実態は深刻か

有働由美子キャスター
「少子高齢化は日本でも深刻ですが、中国ではそのスピードが著しいものになっています。中国の14歳以下の子どもの数を示したグラフを見ると、1970年代をピークに3億5000万人を超えましたが、『一人っ子政策』もあり急速に減少」

「政策を撤廃した後も増加することはなく、その先も減少は加速し、2050年には約2億人になると予測されています。さらに、高齢者の数は約4億人と2倍になる見込みです」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「データ上ではそうなのですが、現代中国に詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は『本当はもっと急速に人口が減っていて、より深刻ではという見方がある』とみています」

「そうした背景には『中国では教育などの予算欲しさに、地方政府が子どもの数を水増しして報告していて、実態に即していないという指摘がある』と興梠教授は話しています」


■少子化対策どうする? 中国は

有働キャスター
「少子化は、日本でも簡単には解決しない問題ですが、中国はどうしようと考えているのでしょうか?」

小栗委員
「中国は少子化対策として、3人目の出産までを認める『3人っ子政策』に加え、教育問題の解消で何とかしたいと考えています。例えば、小中学生の塾の新設を禁止しています」

有働キャスター
「なぜでしょうか?」

小栗委員
「中国は受験競争が激しく、高騰している教育費を軽減しようということです。他にも、子どもにかかる家庭の負担を減らそうと、宿題の制限をしています。小学3~6年生には1時間以上、中学生には1時間半以上、それぞれかかりそうな宿題はダメとしています」

有働キャスター
「ここまでやるのですね…」


■廣瀬さん「地域で支える仕組みを」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「教育におけるさまざまな負担を減らすことは、日本でもやはり変わらないかなと思いますが、日本では地域で支えるという仕組みがとても大事かなと思います」

「例えば、近くの高齢者の方が子どもたちにいろいろと教えてくれたりすると、家庭の負担も減りますし、高齢者の方にとっても活躍する、居場所が増えるというのは、双方にとってとても良いのではと思っています」

有働キャスター
「確かにこれまでと違って、地域や社会で考えていかないと、本当に生みたいと思った時に、迷わずに生み育てられる社会ではなくなります。本気で社会全体で考えていかなくてはと思います」

(11月11日『news zero』より)