ブラジル大統領 接種めぐり“不適切発言”
開幕まで残り100日となった北京オリンピック。IOC(=国際オリンピック委員会)のバッハ会長は、現地のコロナ対策を高く評価しました。一方、ブラジルのボルソナロ大統領は“ワクチンでエイズの発症が早まる”などと発言し、問題になっています。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。
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■中国 IOCバッハ会長がコロナ対策を評価“感染の再拡大”懸念も
(中国 感染者数9万6899人 死者数4636人 中国・衛生当局 27日発表)
開幕まで残り100日となった、北京オリンピック。北京市内のカウントダウンが表示された時計の前には多くの人が集まり、記念撮影などを行っていました。
「私の一番の願いは、開会式を見に行くことです」
早くも歓迎ムードに包まれるなか、IOCのバッハ会長は、準備が順調に進んでいると説明。また、新型コロナ対策についても高く評価しました。
IOC バッハ会長
「中国は新型コロナウイルスを封じ込めるだけでなく、根絶したいと考えており、これは非常に厳格な手段で効率的に行われています」
ただ、中国国内では、19日に北京でおよそ70日ぶりに市中感染を確認するなど“感染の再拡大”が懸念される事態となっています。
■アメリカ ワクチン未接種のNBA選手“出場禁止”抗議も…
(アメリカ 感染者4561万6157人 死者73万8883人 米ジョンズ・ホプキンス大 27日午後5時)
これまでに4500万人以上が感染したアメリカ。ニューヨークでは、NBA(=アメリカプロバスケットボールリーグ)の試合が行われる会場に集まる多くの人たちの姿がありました。なかには「カイリーにプレーさせろ」と叫ぶ人たちも。
その「カイリー」とはブルックリン・ネッツのカイリー・アービング選手のことです。アービング選手は、新型コロナウイルスのワクチンを接種しないと表明し、チームから練習や試合に参加することを許されていないのです。そのため、一部のファンが抗議する事態になっています。
NBAは選手らにワクチン接種を義務付けていませんが、チームが本拠地を置くニューヨークでは、ワクチンを接種していない選手が出場することが禁止されています。
ワクチン接種をめぐっては新たな動きもあります。
FDA(=食品医薬品局)は26日、専門家らによる諮問委員会を開き、ファイザーの新型ウイルスワクチンについて、5歳から11歳の子どもへの接種を推奨しました。
承認されれば、アメリカでは11歳以下の子どもが接種できる初めてのワクチンとなります。
■ブラジル “ワクチンでエイズ発症早まる”大統領が不適切発言
(ブラジル 感染者2174万8984人 死者60万6246人 米ジョンズ・ホプキンス大 27日午後5時)
2000万人以上が感染し、世界で2番目に死者の多いブラジルでは、これまで新型コロナを軽視し続けているボルソナロ大統領が、またしても不適切な発言をしました。
ブラジル ボルソナロ大統領
「完全にワクチンを接種した人、つまり2回目の接種を受けた人が15日後にエイズを発症していることがわかっています」(※ボルソナロ大統領の主張)
“新型コロナのワクチンでエイズの発症が早まる”として、フェイスブックでライブ配信したのです。
ロイター通信によりますと、フェイスブックは24日にこの動画を削除。広報担当者は、「ワクチンが人を殺したり深刻な害を与えたりするなどの主張は認めていない」としています。
また、国連の機関、「国連合同エイズ計画」は、「新型コロナのワクチンは、HIVに感染しているほとんどの人に安全だ」としています。
■スペイン 伝統的なお祭り復活、羊・ヤギ1000頭以上が道路に
(スペイン 感染者500万4143人 死者8万7238人 米ジョンズ・ホプキンス大 27日午後5時時点)
一方、再拡大した感染者数が今年7月下旬をピークに、減少傾向にあるスペインでは、ある伝統的なお祭りが復活しました。街ゆく人々の横を歩く、多くの羊やヤギ、その数なんと1000頭以上。
間近を通り過ぎる羊たちに、子どもは少し驚いたようすでした。マドリード中心部の道路を埋め尽くし、行進していました。
放牧地の間を季節ごとに移動する家畜。800年以上前に作られた歴史ある放牧路を住宅や道路の建設から守るためにも、行われているというこの祭り。
去年は、新型コロナの影響で中止されていましたが、今年は伝統的な音楽やダンスとともに羊やヤギの行進を復活。
ダンサー
「去年は中止になってしまったので、今年は特別な年になるでしょう」
集まった多くの人と羊たちで、にぎわいを取り戻していました。