沖縄に大量“軽石”…真っ白な砂浜が灰色に
小笠原諸島の海底火山活動でできたとみられる軽石が、沖縄に大量に漂着し、白い砂浜のビーチが姿を一変させるなどして、観光に影響が出始めています。さらに、海上保安庁の巡視艇が軽石を吸い込み航行できなくなるなど、被害が広がっています。
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沖縄県国頭村の漁港。周囲は青い海が広がっていますが、漁港内は一部が茶色く色が変わってしまっています。それらはすべて軽石です。地元の人はスコップで取り除こうとしますが─。
地元の人
「繰り返し、繰り返し来るからもうどうしようかなと」
軽石漂着の原因とみられるのが、今年8月、小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」で起きた大規模噴火です。気象庁によりますと、この噴火で噴き出した軽石が、およそ1400キロ離れた沖縄県に流れ着いているとみられています。
沖縄本島の北部などに大量に流れ着いている軽石。漁業への影響も出ています。
漁師
「もう漁出られないですね。これだけ石があれば」
漁船のエンジンなどに軽石が詰まってしまうため、漁にも出られず死活問題だといいます。実際に、23日、沖縄本島近くの海上で海上保安庁の巡視艇が、漂流している軽石を吸い込み航行できなくなる被害も出ています。
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普段は真っ白な砂浜が広がる今帰仁村のウッパマビーチも、1週間ほど前から打ち寄せた軽石で灰色に覆い尽くされてしまいました。
ビーチを管理するベル・パライソ 比嘉智啓さん
「スコップとかでとったりとかしていたんですけど、もう追いつかなくて。次の日になったら、また同じような感じになるので」
同じ今帰仁村の古宇利島にある記念撮影スポット「ハートロック」の海岸にも、大量の軽石が─。
観光客
「景色がだいぶ変わっちゃってるんで、残念ではあります」
漁業や観光にも影響が出始めている軽石の漂着。沖縄県は撤去と処分の方法を検討しています。