感染拡大でも街にはマスク未着用者… 露
ロシアでは新型コロナウイルスの感染拡大が過去最悪の状況となっています。ただ、街ではマスクを着けない人がいるなど、国民に切迫感はなくワクチンの接種も伸び悩んでいます。海外での新型コロナをめぐる最新の動きです。
■ロシア
800万人以上が感染し、感染状況が過去最悪となっているロシア。(感染者 806万752人 死者 22万5325人 露コロナウイルス対策本部 19日発表)
18日には新規感染者が3万4000人を超え、過去最多になりました。そして、19日に発表された1日の死者数は1015人と、こちらもこれまでで最も多い人数となりました。
悪化の一途をたどっていますが、街ではマスクを着けていない人の姿が目立ちます。
それは地下鉄の車内でも同様でした。
こうした状況にプーチン政権は危機感を強めていて、首都モスクワの公共交通機関でのマスク未着用に罰金を科すなど、改めて対策を強化する方針です。
そして、収束の鍵となるワクチン接種ですが…
記者(ロシア・モスクワ)
「モスクワ市内にある無料のワクチン接種会場ですが、ワクチンを打つ方をほとんどみることはありません」
国産ワクチン・スプートニクVを開発し、世界で初めてワクチンを国内承認したロシア。ただ、18日時点で接種を完了した人の割合は32.4%で、日本の接種率の半分以下です。
プーチン政権は、国民にワクチンを接種するようたびたび訴えていますが…
接種予定のないモスクワ市民
「あまり接種を信じていません。それが有効であるとは基本的に思っていません」
今後接種予定のモスクワ市民
「インターネットでは様々なうわさが飛び交っています」
国民のワクチンに対する不信感はいまだに強く、収束への見通しは立っていません。
■イギリス
同じく感染状況が悪化しているイギリス。(感染者 853万7650人 死者 13万9042人 米ジョンズ・ホプキンス大 19日午後5時時点)
ロイター通信によりますと、18日にはこの3か月間で最悪となるおよそ5万人の感染が確認されました。
今年7月19日にパブやレストランの人数制限が取り払われ、ナイトクラブも営業を再開するなど、最後の制限措置が解除されていたイギリス。
さらに9月には学校が夏休みを終え再開したことなどから、感染者は徐々に増加。成人よりも子供に感染数が増加しているとの報告もあるということです。
■イタリア
そのワクチンをめぐって、イタリアではデモが起きています。
AP通信によりますと、イタリアでは10月15日から職場でワクチン接種証明か陰性証明の提示が義務化。
18日、イタリア・トリエステの港ではこうした“グリーンパス”への 抗議活動が行われていました。
不当な負担を強制しているとして抗議する労働者。それに対して、警察は放水で対抗します。
港でのデモは数百人規模となったということです。
(感染者 471万9493人 死者 13万1585人 米ジョンズ・ホプキンス大 19日午後5時時点)
■アメリカ
デモは、アメリカ・カリフォルニア州でも起きています。
カリフォルニア州は10月1日、すべての児童・生徒を対象にワクチン接種を義務づけると発表していました。
18日、ワクチン接種に反対するデモは州の各地で起きました。
保護者
「義務を正当化するだけの長期的なデータがないと思います」
4500万人以上が感染したアメリカ。(感染者 4505万1076人 死者 72万6201人 米ジョンズ・ホプキンス大 19日午後5時時点)
18日、黒人として初めてアメリカの国務長官を務めたコリン・パウエル氏が新型コロナウイルスの感染による合併症のため亡くなりました。84歳でした。
家族がSNSに投稿した内容によりますと、ワクチンは接種済みだったということです。
アメリカ パウエル国務長官(当時)(2002年)
「イラクの大量破壊兵器をなくすために必要なことをしなければならない。それには武力行使も含まれる」
パウエル氏は黒人初の国務長官としてイラク戦争の開戦にも関わり、イラクのフセイン政権が「大量破壊兵器を隠し持っている」と主張。しかしその後、大量破壊兵器が存在しなかったことが判明し、「人生の汚点」などと振り返っています。
ホワイトハウスなど政府機関や軍の施設では、追悼のための半旗が掲げられました。
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ワクチン接種を完了した割合はイタリアがおよそ70%、日本はおよそ67%、アメリカはおよそ56%。世界全体では36%となっています。