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なぜ衆院選急ぐ?「早い方が得」3つの理由

2021年10月5日 8:56
なぜ衆院選急ぐ?「早い方が得」3つの理由

岸田内閣が4日に発足しましたが、その10日後には衆院解散ということになります。衆院選の投開票日と重なるG20への出席を見送ってまで日程を早めた岸田首相。その背景には、「期待感」「新型コロナウイルス」「野党対策」の3つのポイントが考えられます。

■「早い方が得」…3つのポイント

有働由美子キャスター
「岸田内閣が4日、発足しました。このメンバーで仕事始めかと思えば、10日で衆議院の解散となります。10月31日には投開票ということで、いきなり選挙モードです」

小野高弘・日本テレビ解説委員
「早ければ早い方が得だと、岸田首相は考えました。ポイントが3つあり、1つは『期待感』です」

「岸田首相は、数十兆円規模の経済対策をやりたいと言っています。新型コロナウイルスで困っている人たちをしっかり支援する、と。『政権与党の私たちを勝たせてくれたら、直ちに補正予算を編成して私の内閣で取り組みます』と選挙でアピールできます、選挙を早くやれば、『年内に取り組めます』と訴えて期待感を高めることができます」

有働キャスター
「確かにまだお店もフル稼働できない状況で、コロナの中、大変です」

■「コロナ」「野党対策」も影響?

小野委員
「コロナの感染状況が選挙の日程と関係しているという見方もあります。これが2つ目のポイントです」

「4日の感染者は、東京が87人、大阪が96人。全国では604人で、600人台になるのは約7か月ぶりです。ある自民党議員は『感染状況が落ち着いているうちに選挙をやってしまいたいのだろう』と話しています」

「3つ目のポイントは、野党の抑え込みです。野党4党は共に戦うとして、連携を強化し、共通の政策も発表しています」

「選挙区で、立憲民主党と共産党が競合している場合は、候補を一本化して票を集めたいという動きがありますが、手間取っている選挙区も多くあります。自民党としては早く選挙をして、先手を打ちたいという考えもありそうです」

「その野党からは、『岸田首相の人事の評判が悪い。甘利幹事長の政治とカネの問題などもあり、ぼろが出る前に選挙をやりたいだけだ』(立憲民主党幹部)という指摘も出ています」

■衆院選を優先…G20現地出席「見送り」

小野
「投開票日の10月31日は、イタリアでG20首脳会議が開かれます。誰が出席するかまだ分かりませんが、アメリカのバイデン大統領や中国の習近平国家主席ら世界のリーダーたちが一堂に集まります」

「岸田総理は顔を売る絶好のチャンスでしたが、出席を見送り、オンラインでの参加を考えるといいます。本当であれば、出て行って『私が日本のニュー・プライムミニスター(新しい首相)です』と言えると距離も近づきますが、それより衆院選を優先しました」

有働
「選挙ファーストですか…」

(10月4日『news zero』より)