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宣言“全面解除”前に…営業再開へ準備続々

2021年10月1日 0:56
宣言“全面解除”前に…営業再開へ準備続々

30日午後8時、東京・渋谷では、多くの人が行き交っていました。緊急事態宣言の全面解除前夜です。

大学院生(23)
「(宣言解除で)遊びに行きやすくはなるのかなと思います」

会社員(24)
「まずは会社の同僚と飲みに行きたい。緊急事態宣言中とかは自粛してましたけど、外に飲みに行きたい」

休業中の都内の焼き肉店では、店を閉めているのに肉を焼いていました。実は来月1日から営業再開するため、試食会を開いて肉の味を確かめていました。

従業員
「いいですね。久しぶりの肉」

来月1日から営業再開の焼き肉店代表
「本当だよね」

従業員
「いやー待ちに待ちました」

さらに―。

来月1日から営業再開の焼き肉店代表
「これはきょう発注した分のお酒を(置いてある)。半年ぶりくらいにビールの樽見たんですけど、おー、お酒だって感じです」

都の認証を受けているため、営業時間は午後9時まで、酒の提供は午後8時まで可能です。

来月1日から営業再開の焼き肉店代表
「楽しみですね。あしたどうなるんだろう、お客さんがどれくらい来るんだろう、どのくらいお酒が出て、お肉がどのくらい出るんだろうって」

東京・港区にある酒店の倉庫では─。

酒店社長
「本当にビール少なくなっちゃったな」

社長は、酒の出荷状況を見て、驚きの声をあげました。

酒店社長
「もうきょうのうちから、注文いただいちゃってるってことですね」

在庫が予想以上に減るほど、ハイペースで酒の注文が入っているといいます。

酒店社長
「ちょっとびっくりしています。それだけ飲食店さまも、お酒を注文できることを待っていらっしゃったのかなと」

東京都では酒OKのお墨付きが得られる認証について、2600件を超える駆け込みの申し込みがあるといい、都は260人態勢で1日およそ1000店舗を回って感染対策の点検を行う予定です。

一方、酒も時間も制限なく営業できる店も─。

オーナーシェフ
「やはりお客さまが『ここ認証店とれたんだね』っていう安心感。認証店をとっておいて非常に良かったのかなと思っています」

千葉県では、独自の感染防止対策の基準を満たした40店舗を「認証店」として認定しています。酒の提供や営業時間に関する制限の全面解除を認めています。

テーブルのアクリル板を対面だけでなく側面にも設置し、客に対して連絡先の記入を呼びかけるなど、50を超える基準をクリアしてきました。

“オールフリー”で迎える宣言解除に─。

千葉県の“認証店”オーナーシェフ
「あしたからは、通常営業の夜10時まで営業となります。期待はもう、それは100%期待しています。自信を持って営業いたします」

酒解禁の影響は、飲食店などにおしぼりをレンタルしている会社にも出ていました。このところ注文が殺到し、生産ラインの稼働を週3回から5回に増やして対応していました。30日午後、すし店へ配達しました。続いて、和食店にも配達しました。

おしぼりレンタル会社配送部 従業員
「(Qきょうは何軒回った?)ここまでで100軒くらい」
「(Q何時から動いている?)きょうは朝3時半から」

従業員は、ひたすら、おしぼりを届けていました。また─。

「あしたからありがとうございます」

注文の電話もひっきりなしに鳴っていました。

おしぼりレンタル会社総務部 部長
「こんなに『やったー!』みたいなのは本当に久しぶりです。これが続きますように願っています」

    ◇

こうした中、30日、明らかになったのが行動制限緩和に向けた実証実験の詳細です。

政府案によりますと、認証を受けている飲食店・ライブハウス・小劇場などを対象に、人数や営業時間などの制限を緩和し、ワクチンの接種歴の確認や入店・入場者リストの作成、換気状態の計測などの実効性を検証します。

スポーツやコンサートなどのイベントでも、同様の検証を行った上でマスクの着用率や大声の把握、密集を感知・共有する技術なども検証します。

実証実験は、来月6日に愛知県で行われるJリーグの試合を始め、福岡県で来月18日から始まる体操と新体操の世界選手権などで行われます。飲食店での実験は12道府県、ライブハウスや小劇場での実験は4道府県で行われます。その上で当日はアンケート、後日にフォローアップ調査をするということです。

    ◇

30日、東京の新たな新型コロナウイルス感染者は218人でした。23日から313人減少、5日連続で300人を下回りました。

都のモニタリング会議では、感染状況の警戒レベルについて、およそ10か月ぶりに最も深刻なレベルから1段階引き下げられました。しかし─。

国立国際医療研究センター 大曲貴夫医師
「感染拡大のリスクが高くなる冬に備えて、新規陽性者数を徹底的に減らしておく必要があります」

東京都医師会 猪口正孝副会長
「重症患者数は高い水準で推移しており、医療提供体制への負担が 大きい状況にあります」

医療提供体制については、依然、最も高い警戒レベルを維持します。専門家は、「この状況下で新規感染者が増加に転じれば短期間で危機的状況になる」と危機感をあらわにしています。

都内では12人の死亡が確認されました。30代の女性は家庭内で感染し、肥満体形で、ワクチンは接種していませんでした。

30日夜、小池都知事は―。

東京都 小池知事
「言うまでもありませんが、リバウンドするときはあっという間です。リバウンドさせないことを皆さんと意識を合わせながら、進めたい」

9月30日放送『news zero』より。