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“持ち帰り需要”取り込め 業界の取り組み

2021年8月24日 21:15
“持ち帰り需要”取り込め 業界の取り組み

コロナ禍でも手軽に外食気分を味わえるとして根強い人気がある「持ち帰り」。この持ち帰り需要を取り込もうと、いま飲食店などさまざまな業種が工夫を凝らしています。

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記者
「こちらの売り場にはお弁当がずらっと並んでいます」

大きなからあげが4つ入った弁当に、甘辛いソースが食欲をそそるロースカツ弁当。

およそ30種類の弁当が並ぶスーパーでは 持ち帰り需要に合わせ、弁当売り場を拡大。先週から4種類の新商品を販売しています。その特徴が…

イオンリテール・デリカ商品部商品開発担当 平尾佳緒梨さん
「できたて弁当を得意とするオリジンのノウハウを活かした舞茸ご飯を使用しています」

店内調理で弁当を提供する同じグループのオリジンの工場で具材などを味付け。店舗内で弁当を作ることで“できたての味わい”を提供できるといいます。

イオンリテール・デリカ商品部商品開発担当 平尾佳緒梨さん
「外出自粛が続いているので、ご自宅でもたくさんの方に味わっていただきたい」

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すかいらーくグループでは、デリバリーとテイクアウトの専門店を7月末に出店。

従業員
「安全運転でいってきます」

この店舗では、ガスト、バーミヤン、からよしの3店舗のメニューをテイクアウト、デリバリーで注文できます。

すかいらーくグループ デリバリー・テイクアウト専門葛飾立石店 小澤俊輔マネジャー
「コロナ禍でテイクアウト・デリバリーの需要が高まっていて、そちらの配達が空白地帯であるこちらの地域にデリバリー・テイクアウトの専門店を出店させていただいた」

すかいらーくグループの料理をほとんど配達していない区域に出店したといいます。

妹と初めてきたという男性は…

訪れた客
「近いところでいうとここが一番、テイクアウトするのに近かったのでここを選びました。ものすごい種類があってすごい便利」

訪れた客
「いろいろ食べられていい」

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感染拡大で高まる持ち帰り需要。

休業中の焼き鳥専門店で行われていたのは、焼き鳥を焼くための研修です。

先生
「この状態でたれが焦げるんじゃなくて、たれをカラメルの状態に焼き付けてあげる」

学んでいるのは居酒屋チェーン・塚田農場の社員。現在、コロナの影響で9割以上の店舗が休業中です。

教えるのは専門店で8年焼き鳥を焼いている“焼き師”です。

先生
「これもう回転させて、たれが焦げているかを見て」「うちわで火をおこすわけじゃないんだよ」

やったことがない焼き鳥の技術を身につけようと必死に研修を受ける姿がありました。

先生
「俺見なくていいから、串をみなさい、ちゃんと」

先生も厳しいまなざしで教えます。

休業中の居酒屋の社員が休業中の店舗で研修。いったいなぜなのでしょうか。

エー・ピーホールディングス執行役員 人事本部長・越川康成さん
「この期間中に社員に休業しているだけでなく、じっくり学ぶいい機会だということで、技術習得を行っている」

塚田農場と同じグループである焼き鳥専門店の技術を社員に広げようとしているのです。

エー・ピーホールディングス執行役員 人事本部長・越川康成さん
「専門技術を加えることで本当においしくなる。そういった専門業態をたくさん出していこうと」

外食の機会が減る中、来店した客には“専門店の味を提供したい”と考えているといいます。

さらに、焼き鳥などはテイクアウトにも適していると話します。

エー・ピーホールディングス執行役員 人事本部長・越川康成さん
「おうち帰って食べたいというお客さまのニーズに応えられる幅が広がるのかなと」

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高まる持ち帰り需要に合わせ、企業側のさまざまな工夫が続いています。