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もし子供が感染したら…観察するポイントは

2021年8月24日 18:19
もし子供が感染したら…観察するポイントは

今週、新学期を迎える小中学校も多くあります。この深刻な新型コロナウイルスの感染状況の中で、どう子供たちを守るか、そして、いざ子供が感染したら家族はどうしたらいいか、詳しく説明します。

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■10代以下の感染増加…家庭内だけでなく施設でも

23日、東京では新たに2447人の感染が確認されました。16日よりは少ないものの、直近7日間の感染者数の平均は4659.3人です。これは、1週間前の109.0%となり、依然、感染拡大が続いています。

そして、入院患者は4034人で、宿泊療養中の患者は1996人といずれも過去最多を更新しました。入院などの調整をしている人は1万1479人です。自宅療養者は2万5156人で、前日より増加しています。

ここで、着目したいのが子供の感染です。23日の東京の感染者を年代別でみますと、多く占めているのは20代、30代ですが10歳未満が136人、そして10代が277人と、10代以下の感染が増えています。

子供の感染のほとんどは家庭内で起きていますが、このところ施設での感染も相次いでいます。23日は、同じ学童保育で7人の感染が確認されました。

■夏休み延長・休校…自治体で分かれる判断

感染拡大を受けて、夏休みを延長する動きが相次いでいます。神奈川県では、横浜市などで市立学校の臨時休校を決めています。

東京都でも日野市、多摩市、調布市が市立の小中学校を臨時休校とする判断をしました。そして、24日、江東区が区立の学校と幼稚園を臨時休業することを発表しました。

調布市の場合は、27日だった始業式を来月6日に延期しました。そして7日から10日はオンライン授業を実施するそうです。同時に、12日までは原則、部活動は中止するということです。

影響が大きいだけに、様々な意見があり、判断が分かれています。
調布市は、休校を決めた理由について「8月中旬になり子供や教員の感染が急増し、このまま新学期を迎えたら感染拡大するおそれがあった」としています。

休校をしない青梅市は、「去年のように社会が止まっているという状況ではないのに学校だけ止める意味があるのか」と話していました。

一方、全国で、コロナの影響により休園した保育所などの数が急激に上昇しています。19日の時点で165か所となり、この1か月でおよそ4倍にまでなっています。

現場の保育士さんは、子供の命を守りながら感染対策も続けていて、本当に大変な思いをしています。この数字から、子供の感染を防ぐことが本当に難しいということが分かります。

■もし子供が感染したら…観察する4つポイント

もし自分の子供が感染した時、戸惑わず冷静に対処するためのポイントを説明します。

まずは厚労省によりますと、現在分かっている情報では、子供は感染しても症状が出ないか、あるいは症状が軽いことが多いです。ただし、大人と比べて割合は低いですが、重症化することもあります。よく「子供は無症状が多い」といわれますが、重症化するケースもあるということを念頭において、子供の様子をよく観察することが大事です。

次に国立成育医療研究センターがまとめた、子供の状態を観察する次の4つポイントがあります。

・機嫌
・食欲
・顔色
・呼吸の様子

呼吸については、「息苦しそうではないか」「息を吸う時に胸がぺこぺことへこむ、陥没するような呼吸になっていないか」をみてください、とありました。これらが問題なければ心配はいらないということです。

機嫌が悪い、食欲が低下しているほか、意識がはっきりしない、おう吐を繰り返すなどの症状があれば、担当の保健所や、かかりつけ医に早めに相談してくださいということです。

子供の感染が増えていることをどう受け止めるべきか、大阪大学医学部の忽那賢志医師に聞きました。

●「子供から子供への感染」「子供から大人への感染」は、これまであまりないと言われてきたが、今ももそうか?

忽那医師によると「今まであまりなかった子供の集団感染も起こるようになった。デルタ株の影響で、すべての世代で感染が起こりやすくなっていて、これは子供にも言える」ということです。

つまり、子供同士や大人への感染の広がりも今は注意しなければならないということです。

●学校が始まることについては─。

忽那医師は、「学校が始まれば子供の感染も増えるし、教室内でのマスクや食事中のおしゃべりはこれまで以上に気をつける必要がある」と指摘しました。

また、忽那医師は、大人から大人の方がうつりやすいのは間違いないのに、大人はまだテレワークの徹底にほど遠い状況であることを指摘していました。

    ◇◇◇

学校が始まり子供たちを休ませるかどうかの議論よりも先に、大人たちがどれだけ接触を減らし、行動変容できるか、これが子供たちを守るうえでも重要なポイントになるといえます。

(2021年8月24日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)