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【皮膚科医が解説】モデルナアームのQ&A

2021年7月15日 21:37
【皮膚科医が解説】モデルナアームのQ&A

■女性記者も経験…接種9日目の突然のかゆみ「モデルナアーム」

日本テレビ報道局社会部で記者をしている私(36)は、今月1日、モデルナ製ワクチンの1回目の接種を行った。

私がいわゆる「モデルナアーム」の症状を自覚したのは、接種から9日後。朝、接種した左腕のかゆみで目が覚め、腕を見ると、丸くうっすらと赤くなっていた。触るとその部分だけが熱い。

接種直後に出ていた痛みなどの副反応がすっかり治まった後の突然の症状だった。半袖シャツが触れるだけでもかゆい状態で、一時は、直径6センチほど丸く赤くなったが、その後、徐々に症状は治まり4日間で元に戻った。

症状は軽かったものの、突然1週間以上経って現れた症状に、「私の体内はどうなっているんだ?」「2回目接種をしても大丈夫なのだろうか?」という疑問や不安の気持ちが生じ、皮膚科医を取材してみた。

医師は、モデルナアームは「大体の方が数日で治る」と解説する。

■1回目接種では、1週間前後してから症状。2回目接種では「翌日」にも

近畿大学医学部皮膚科学教室の主任教授で皮膚科医である大塚篤司医師によると、モデルナアームの症状で相談に来る患者は、ワクチン接種が進むにつれて「最近、増えている」とのこと。症状が出る特徴が、1回目と2回目の接種では、傾向が違うという。

大塚医師「1回目接種の後は、1週間前後で症状が出ることが多いようです。2回目接種後は、もう少し早くて、接種翌日や、翌々日に症状が出たりします」

大塚医師は「多くの人が数日で症状が治まる」というが、症状が出た場合どのように対処すればいいのか?

■自宅でできる対処法は「冷やすこと」

一番の対処法は「冷やすこと」だという。

大塚医師「ご自身でできる対処法としては、まず冷やすこと。急激に冷やすと反動でまたかゆくなるので、保冷剤か何かをタオルで包む形で患部にあてて、ゆっくり冷やしていく」

皮膚のかゆみは、血流がよくなると強くなるため、激しい運動や長時間のお風呂でかゆみが悪化する可能性もあるという。

また、自宅にある虫刺され用の薬など、かゆみ止めの薬を塗ることで、かゆみを抑えることもできるとのことだ。

大塚医師「(市販の虫刺されの薬など)すーっとするメンソールが含まれているような薬は、かゆみの軽減にはなります。ただ、炎症を抑える効果はない。症状が続く方は、皮膚科を受診した方がいいと思います。症状が3、4日続いて、さらに腫れが広がってくる、または掻きむしって傷ができるとか、汁が出る状況なら、皮膚科を受診して薬を塗る方がいいと思います」

皮膚科では、一般的に、ステロイドの塗り薬や、抗アレルギー剤などが処方されるということで、炎症が強い場合には、早期にステロイド外用剤を塗った方が、治りが早いとのことだ。

■アトピーやアレルギーがある人での傾向は?

かゆみが強いモデルナアームについて、アトピーやアレルギー症状のある人はより心配になるところだが、大塚医師いわく、そうした人で「症状が出やすいというわけではない」と話す。

大塚医師「アレルギーがあるからといって、皮膚の局所反応が増えるという報告は、今のところないです。いま私が診ている患者さんで、アトピーがあるからといって、(モデルナアームの症状が)出やすいというわけではないです。アトピーがある方も、アレルギーがある方も、最終的には主治医と相談してからですが、しっかりワクチンを注射していただく方がいいと思います」

■モデルナアームになっても「2回目接種はできる」

1回目の接種でモデルナアームになった人は、2回目接種でも出やすいのかというと「わからない」という。

1回目接種でモデルナアームを経験した人は、2回目接種への不安が芽生えるが、2回目を接種しても大丈夫なのだろうか。

大塚医師「ワクチンの効果を考えると、2回接種してもらった方がいいですので、1回目に皮膚の局所反応が出たとしても、2回目を受けてもらった方がいいです。(モデルナアームは)症状が出たとしても数日でよくなるので、怖がらずにしっかりワクチンを打ってもらう方が大事だと思います。たとえモデルナアームの症状が強い場合でも、皮膚科で治療可能ですので」

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1回目接種で「モデルナアーム」とみられる症状を経験した筆者。副反応とみられる症状が体に出ると、やはり不安や恐怖を感じるものだ。

以前に取材したある専門家に言われて印象的だったのは、「ワクチンに副反応はつきもの。ただ、わかっていれば怖くない」という言葉。

ワクチンを接種するかは、各自の判断で決めることだが、接種する場合は、どのような副反応が出るのか、どう対処すべきなのか、よく知ってから接種することが大事だと感じた。

画像:接種9日後の記者の腕