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観客は 五輪会場へ最大「1日22万人」超

2021年6月12日 13:27
観客は 五輪会場へ最大「1日22万人」超

オリンピックの会場外での観戦について田村大臣は11日、「自宅で」と呼びかけました。スポーツバーは頭を悩ませ、各地の観戦イベントは次々中止が決まっています。組織委員会の専門家会議は会場の観客数が1日最大22万人超になる試算を明らかにしました。

■「応援は自宅で」 スポーツバーの本音は

酒の提供を自粛し、夕方5時までの時短営業を続けている都内のスポーツバーを訪ねました。店長は「本当に今、悩んでいて…」とこぼしました。オリンピック期間中の営業について頭を抱えています。

観戦をめぐっては、田村厚労相が11日、「やはりご自宅で、感染リスクのない中での応援というのをお願いをいたしたい。できれば本当にご自宅で応援をいただきたいと思います」と、スポーツバーなどでの観戦は控えるよう求めました。

スポーツバー店長
「全員が自宅のテレビで満足できるのかなあ…って。(スポーツバーなら)サッカーだったらシュート入ったら『わー』となったり、野球だったらホームラン打ったら『わー』となったり。共通に喜べるっていうのが最大の魅力なんじゃないですかね」

その上で店長は「国や都の要請に従ってやっていきたい」と話しています。

■尾身会長「五輪は追加的リスク」

IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長は10日の会見で、「完全に実施する段階に入った」と予定通りの開催に改めて強い意欲を示しましたが、国会では11日も、政府分科会の尾身会長に質問が投げかけられました。

尾身会長
「ただでさえ今、感染のリスクがあるわけですよね。その上に、オリンピックという追加的なリスクがある」
「われわれの仕事は『ああしてください』『こうしてください』と、われわれの意見も述べます」
「いくつかのオプションも考えています」
「われわれの思い・感情ということじゃなくて、客観的なリスクを示すのが役目です。それをご覧になって、関係者が決めていただくことが大事だと思っています」

“オリンピックの感染リスク”について、何度も強調しました。

■分析…観客「1日最大22万5000人」

その「関係者」の1人、組織委員会の橋本会長は11日の会見で「安全で安心な大会を開催すべく」「より安心安全な大会ということを考えて」と、繰り返し「安全で安心な大会」を強調しました。

「安心安全、やはり安全ということは何なのか。まずは安全であるんだということが、組織委員会から国民の皆さんにしっかりと伝わらない限り、安心にならない」と述べました。

そして、相次ぐパブリックビューイングなどの中止。神奈川県の黒岩知事は11日の会見で、聖火リレーの公道走行と、2か所で予定していたライブサイトを中止することを明らかにしました。

東京都も、井の頭公園に設置予定だったライブサイトとパブリックビューイングについて、中止の方向で検討しているといいます。

一方、組織委員会の感染対策の専門家会議では、チケットの販売状況などを基に、大会時に想定されている人の流れを分析しました。都内の会場を訪れる観客は、1日あたり最大で約22万5000人と試算されました。組織委員などは6月中に観客数の上限を決定します。

(6月11日『news zero』より)