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「ラスボスか」ベトナムで発見の変異株とは

2021年6月1日 1:37
「ラスボスか」ベトナムで発見の変異株とは

ベトナムで感染力が強い新しい変異ウイルスが見つかった、と伝えられました。インド型とイギリス型の両方の特徴をあわせもっているということですが、「空気中の感染力が強い」とはどういうことでしょうか。また、日本に入ってくることは…。

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有働由美子キャスター
「『ラスボスか』なんて声までネット上ではあがっているんですが、感染力が強い、また新しい変異ウイルスが、今度はベトナムで見つかったと伝えられました」

小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「ベトナム政府の発表によれば、感染力が強いインド型のウイルス、このスパイクタンパクという突起の部分にこれまた感染力が強いイギリス型の変異が加わった。インド型とイギリス型の両方の特徴をあわせもった新たなウイルスだと。これがベトナム国内で少なくとも4人の患者から見つかったということです」
「どんな特徴があるかというと、『空気中の感染力が強い』んです。これまでのウイルスより強い。ここが、今回の特徴でとても厄介なところです。ベトナムは今、どうなってるかというと、このウイルスとの関係は分かりませんが、明確な変化が出てきています。ベトナム国内の感染者数、4月には1日10人程度なのが、5月になって増えています。1日で500人を超えてる時もあります。急拡大…」

有働キャスター
「聞きたいことがいろいろあるんですが、まず、日本に入ってくることは?」

小野デスク
「人ごとじゃないみたいです。ウイルス学が専門の広島大学・坂口教授によれば『水際対策で完全に防ぐのは難しい。いずれ入ってくると思われます』ということです」

有働キャスター
「ではもう一つ。日本でもインド型とイギリス型があるじゃないですか、それが日本の中でまじわるということは…」

小野デスク
「これも『あり得る』と。『絶えずウイルスは変異する。日本でも変異が起きて、感染力が強いものが残っていく』とおっしゃっています」

有働キャスター
「いずれにしても、日本も覚悟しなければということですね」

小野デスク
「『空気中の感染力が強い』、これについて、分かりやすくいうとどういうことですか、と坂口教授に伺いました。コロナは基本的には、飛まつ感染ですよね。空気中に飛び散る飛まつに含まれるウイルス量が多い、ということではないか」

有働キャスター
「同じくしゃみをするにしても、ベトナムから来ている方のほうが、たくさんのウイルスを含んでいると」

小野デスク
「そうですね。一つ一つの飛まつに、ウイルスが今までのものよりたくさんいるわけですね」

有働キャスター
「ということは、これまでのワクチンが効かないということもあるんでしょうか」

小野デスク
「その辺は、おそらく大丈夫でしょう、と。イギリス型やインド型には効果が見込まれると分かっています。だから、急にワクチンの効果に影響することはないのではないか、ということなんです」

有働キャスター
「そうすると、われわれがワクチン接種、済むまでは、何とか食い止めたいですよね」

小野デスク
「政府も事態を重くみています。水際対策を強化しようとしています。ベトナムから入国する人に対し、入国後14日間の待機期間を設けるということなんですが、最初の6日間は国が指定する宿泊施設で待機を求めると。この措置を今週中にも始める方向で、調整しているということです]

    ◇◇◇

有働キャスター
「水際対策はしっかりお願いしたいですが、変異ウイルスだからといって、私たちのやるべき対策は変わりません。改めて意識していきましょう」

(5月31日『news zero』より)