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大規模会場「トラブル」で列、二重予約も

2021年5月27日 11:47
大規模会場「トラブル」で列、二重予約も

国による新型コロナウイルスワクチンの大規模接種が3日目を迎えた26日、東京の接種センターでは通信障害で行列ができました。一方、センターで接種済みでも、自治体で取った予約が残ったままの「二重予約」が相次ぎ、区の担当者らが頭を悩ませています。


■通信障害で一時「行列」

東京・大手町にある、新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターを26日夕方、訪ねると、建物の外に、接種を待つ人の長い行列ができていました。接種の受け付けや2回目の予約を行う端末がストップした影響です。
防衛省によると、原因はソフトバンクの通信障害で、この障害は午後5時40分ごろ復旧し、その後は順次、接種や予約ができるようになりました。

■接種の一部始終“実況中継”も

この日、接種に来た鈴木さん(69)は、そのトラブルの様子も含め、家族にLINEで実況していました。

「向かっています」「注射、痛いかな~」「並んでいる」「受付の機械が調子悪く 止まっています。」「接種終わりました。今 待機中です」

会場に向かうところから、一部始終を伝えるメッセージを送っていました。

無事に接種を終えた鈴木さんは、「終わってさ、副反応もなくて」と、娘の七星さんに電話しました。LINEのやりとりを通じて父の接種を見届けた七星さん。電話を受け、「あぁ、よかった」と胸をなでおろしました。

七星さん
「日ごろから家族のLINEをしています。さすがにあんなに細かく(実況のメッセージが)来るとは思っていなくて、笑えました。教えてくれるのは安心ですね」と話しました。

■放置でワクチン「無駄」の可能性も

大規模接種センターで接種をした人に、各区での申し込みについて聞きました。

男性(70代)
「実は大田区のほうがちょっと申し込みが遅かったので、こちらを選びました。(大田区の予約は)キャンセルしました」

男性(60代)
「こちら(の予約)を取った段階ですぐに、世田谷のほうはキャンセルしました」

世田谷区の場合、大規模接種センターで接種を受けた区民のうち約5人に1人が、区の接種の予約をキャンセルしていない「二重予約」の状態になっています。キャンセルされずに放置されれば、ワクチンが無駄になってしまう可能性もあります。

■防衛省「予約取り消しを」呼びかけ

26日、二重予約の対応に頭を悩ませている足立区のワクチン接種担当課を訪ねました。

岩本乃蒼アナウンサー
「午後9時になっても、皆さん作業されています」

岩本アナウンサー
「二重予約の状況は今、どうでしょうか?」

担当者
「足立区の予約システムと突合したところ、16人が区の予約をそのまま残した状態で大規模接種を受けていることが分かったところです。その方がキャンセルをしていただくことによって、他の方が接種の機会を得られることもあります」

区では、予約のキャンセルを本人の代わりに行うことも検討しています。

防衛省は、大規模接種センターで受ける人は、必ず自治体での接種の予約を取り消すように呼びかけています。

■小金井「35%超」…“加速”戦略は

首相官邸ホームページの情報より算出した、接種を終えた高齢者の割合(25日時点)は、1回目が約8.1%。2回目は約0.6%です。そんな中、東京都小金井市がスピーディーに接種を進めています。

都内の高齢者の接種率は約6.6%(1回目、23日時点)と10%に満たない中、小金井市では約35.5%(1回目、25日時点)と3人に1人以上が接種を終えたといいます。

26日に30人が接種を受けた小金井市の「武蔵小金井クリニック」の金光寛承院長に聞きました。

「小金井市の方々は大きな病院に通うよりも、いわゆるかかりつけ医、開業医にかかる方が他市に比べて多いのは事実です。私たちも普段診ている患者さんですから、問診も速いですし、そのほうがスピード(感を)持って(ワクチン接種を)できるので、かかりつけ医に診てもらったほうが、非常に良いのではと思います」

市も、「かかりつけ医らによる個別接種を進めたことがスピードアップにつながっている」と説明しています。

(5月26日『news zero』より)