肉厚のハンバーグ、上に乗せたチーズはバーナーであぶって。“まん延防止措置”が適用中の神奈川県のハンバーガー店。メニューをめくると酒の提供自粛を受け、本来は酒のページがネットのホームページが見つからない時に表示される「Ｎｏｔ　Ｆｏｕｎｄ」に。

ハンバーガー店オーナーシェフ
「単純に『お酒出せません』だけだとちょっと面白くないなと。少しクスっと笑ってもらえるように、もうしばらくＮｏｔ　Ｆｏｕｎｄですね」

２１日午後８時半ごろ、東京・杉並区の高円寺駅前。都の職員らの手には、「路上飲みは止めてください」と書かれたチラシが。都の職員らが注意をしています。

ただ、その呼びかけの中、酒を飲みながら歩く人や、呼びかけを行っている後ろでお酒を飲んでいる人もいます。警察官がなだめる場面も…。

緊急事態宣言の期限まで、後１週間あまり。なかなか減らない、夜の人出。

菅首相
「沖縄県においては、若い世代を中心に新規感染者数が急増し、病床がひっ迫した状況が続いており、緊急事態宣言に追加することにいたしました」

政府は、緊急事態宣言について、沖縄を追加することを決定。期間は２３日から来月２０日までです。

さらに今、政府内で検討が進むのが“緊急事態宣言の延長”です。政府高官は「緊急事態宣言の期限がばらばらというのも良くない」と述べ、延長した場合、沖縄の来月２０日までの期限が、１つの目安になるのではないか、との見方を示しました。

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東京の新たな感染者は６４９人、前の週の同じ曜日の人数を８日連続で下回っていますが…。

東京都・小池知事
「新規陽性者数は減少はしていますが、今もまだ高い水準と考えています。依然として状況は厳しい」

危機感をあらわにする小池都知事。

東京都・小池知事
「（Ｑ現在の感染状況を踏まえて延長が必要という認識か？）感染の拡大を確実に抑え込むために全力を尽くすというのが、今、私たちが置かれている現在地であるかと思います。国と協議をしていき、コロナ対策をしっかり進めることには変わりがございません」

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果たして宣言延長は。

菅首相
「感染状況を見極めて月末にも判断をする、そういうことになるだろうと思います」

菅首相は、延長するかどうか、明言を避けました。一方、政府分科会の尾身会長は“宣言の解除は慎重にすべき”だとクギを刺しました。

政府分科会・尾身会長
「何かワクチンをやればすぐに下火になる、というような幻想は抱かないほうがいいと思います。解除した後に、すぐにリバウンドするような解除の仕方は、やめるべきだと思います」

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都内のバー。

「こちらヴァージンファジーネーブルです」

ノンアルコールのカクテル。酒の提供をせずにノンアルコールのメニューを増やして、営業しています。

バーのマスター
「（ノンアルコールは）普段から１０種類くらいあったんですけど、３０～４０種類くらいにお酒をお出しできるなら、お酒をお出ししたいなとは思いますけど」
「普段お酒を飲まない人でもＳＮＳとかで調べて、『こんなんやってんねや』って初めてバーに来たりとか。それはそれでよかった」

工夫しながら、今を乗り切る日々。

飲食店以外も、我慢を強いられています。酒を卸す問屋の倉庫には異変が─。

酒卸問屋の社長
「これで１２月のお酒。本来だとこんなにあるわけないんだよ。売れてないんだよ」

提供自粛で、行き場を失った酒。さらに。

酒卸問屋の社長
「こんなことあり得ないんだよ。売れてないんだよ。去年からのほこりだよ」

瓶にほこりがつくほど、倉庫に眠っていました。ビールのタルの在庫も多く残っています。宣言延長の可能性について、社長は─。

酒卸問屋の社長
「本当に最後にしてもらいたいよね。これはもう切実に思う」

そんな中。

グローバルダイニング・長谷川代表取締役社長
「現状も含めて、非常事態とは認められないと、私は思っています」

都内の飲食店運営会社「グローバルダイニング」。東京都が２６店舗に対して出した時短営業の「命令」について、都を相手取り裁判で争うことに。

グローバルダイニングは、営業の自由などの侵害にあたり、憲法に違反するなどと主張。都が出した休業命令などにも従わず、通常営業を続ける方針だといいます。これに対し、東京都は法的に適切な手続きを踏んだ上で命令を出したとして、訴えを退けるよう求め争う姿勢を示しています。

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宣言追加が決まった沖縄。２１日午後８時ごろ、那覇市の観光名所・国際通りは閑散としていました。新たな感染者は、過去最多の２０７人と、感染拡大が止まりません。

沖縄のホテル。“まん延防止措置”の段階ですでに修学旅行のキャンセルが相次いでいる上。

沖縄のホテル総支配人
「（修学旅行の予約が）まだ数校残っていたと思うんですけど、今回の緊急事態宣言で、たぶん、もう完全になくなってしまうんじゃないかと」

宣言追加に、玉城知事は。

「酒類の提供、またはカラオケ設備を提供する飲食店は、休業するよう要請いたします。それ以外の宅配やテイクアウトを除いた飲食店につきましては、午後８時まで営業時間短縮の要請をいたします。人と人との接触機会を徹底的に低減する、さらなる対策を講じてまいります」

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そして、すでに宣言下の北海道では、ラーメン店も驚くことが。

酒提供自粛で時短営業・北海道のラーメン店
「まさか東京より多くなるとは思ってなかったですね」

東京の感染者数を上回る過去最多の７２７人に。このうち札幌市が４２７人を占めています。

酒提供自粛で時短営業・北海道のラーメン店
「みなさん結構外に出てますし、根本的に何か変えないと、緊急事態（宣言）発したところで、何も変わらないと思います」

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全国の感染者は５２５５人、１１３人の死亡が確認されました（２１日午後１１時半時点）。また、重症者は１２９４人と過去最多を更新。医療体制のひっ迫状況は深刻さを増しています。

（５月２１日放送『ｎｅｗｓ　ｚｅｒｏ』より）