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政府が通知…注目の感染対策『山梨モデル』

2021年5月3日 19:55
政府が通知…注目の感染対策『山梨モデル』

■全国感染 日曜日として過去2番目

3日、東京では新たに708人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。1週間前(4月26日)の425人から300人近く増えています。また、2日、全国では5900人の感染が確認され、日曜日としては過去2番目の多さとなりました。北海道、福島、石川、岡山では過去最多となりました。

感染拡大を抑えるにはゴールデンウイークの人出を抑えなければなりません。首都圏の知事らや西村担当大臣も、不要不急の外出自粛、ステイホームを強く呼びかけています。

■ナゼ外出減らない? 東京都が緊急アンケート

緊急事態宣言が出ているのにもかかわらず、なぜ外出が減らないのか、その要因を分析するために東京都が行った「緊急アンケート」の結果が週末に公表されました。
(※【調査日】4月30日正午~午後4時 【場所】渋谷・原宿・新宿 【対象】10代~40代 480人)
 
どこから来たか?の問いには、「都内在住者」が7割弱、「都外」が3割を超えていました。外出の目的は「買い物」が多く、次いで「友達などと会う」「飲食」となっています。
 
宣言下で外出した理由については、全体の約3分の1にあたる160人が「マスクをしているから大丈夫だと思う」と答え、次いで73人が「皆も外出しているようだから」と答えました。
 
また、どちらの呼びかけのほうが外出を控えようと思うかとの問いには、「あと少しだけ我慢をお願いします」より、「不要不急の外出はダメ、やめてください」という呼びかけを選んだ人の方が多くいました。ハッキリ強く言ってほしいという声や、「あと少し」では不明、スケジュールをしっかり示してくれるなら控えるかもしれないという声もありました。

■政府が導入するよう通知『山梨モデル』
 
そんな中、ある対策が注目されています。山梨県の『やまなしグリーン・ゾーン認証』いわゆる“山梨モデル”です。先月30日、政府は全国の都道府県に対し、飲食店への対策として山梨モデルを導入するよう通知しました。

これは、山梨県が去年6月から独自に取り組むコロナ対策で、飲食店にはさまざまな基準を設け、これを満たしているかどうか、店側の自己申告ではなく、県の職員などが調査・確認し、認証してお墨付きを与えるものです。
 
山梨モデルをもとに政府が都道府県に通知した内容をみてみると、「全ての座席にアクリル板などが設置されている、または、座席の間隔が1m以上」「アクリル板などの高さは目を覆う程度以上」、また換気についても、設備が整っていない建物などでは「30分に1回、5分程度、2方向の窓を全開にする」ことなどを確認して、認証を与えるよう求めています。
 
山梨県の長崎知事によると、認証を受けた店でのクラスター発生は「2件」のみにとどまっているといいます。1件は制度を始めた初期の段階で、店側ではなく、客側がルールを守らなかったために発生したとしています。

それ以降、クラスターは出ていませんでしたが、先月中旬に2件目が発生。それは全員が『変異ウイルス』に感染したクラスターでした。

■“変異”に対応…山梨モデルを強化
 
そこで、グリーン・ゾーン認証も強化し、来店者の連絡先を聞く入店管理の徹底や、滞在時間を90分ほどにするなど、基準を変更しました。アクリル板の置き方も、2人掛けは漢字の『一』。4人掛けは『十字』。6人掛けは『カタカナのキ』のようになど、さらに細かく定めました。さらに、二酸化炭素の濃度測定器などの設置も求め、購入費用を補助する制度もつくるとしています。

こうした対策で、知事は「県民の安全と飲食店の経営を守る」としています。
 
いま飲食店の感染対策は、多くの自治体が、東京都のレインボーのマークのステッカーのように自分で印刷して提示するしくみか、あるいは、認証制度自体がありません。自己申告ですので、対策の実態についてはチェックを受けていないことになります。

山梨県の長崎知事は、次のように述べています。

山梨県・長崎知事「自己申告だと、みなさんやる気があったとしても、実際どういうふうにあてはめていいのか、これで本当に十分なのか判断がつきづらいと思う。お店任せになっているのは無理があるのではないかと私は思います」

実地調査をもとに店に「県のお墨付き」を出していく仕組みは、利用者にとっても正しく感染対策を行っている店かどうか分かるメリットがあります。

また、対策の効果をより高めていくためには、店側だけでなく利用者の側も、訪問する際にきちんと対策をしていくことが大切です。

(2021年5月3日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)