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「アリガトウ」山火事鎮火に“感謝”広がる

2021年3月16日 6:32
「アリガトウ」山火事鎮火に“感謝”広がる

出火から23日目にようやく鎮火した山火事。連日ヘリからの散水など消火活動を行った消防隊員たちに感謝を伝えようと、足利市内では校舎の窓や駐車場の地面などあちこちに、上空から見えるよう、大きく書かれたメッセージがあった。

先月21日、栃木足利市の両崖山で発生した山火事は隣の天狗山へと燃え広がり、山林およそ106ヘクタールが焼失した。けが人や住宅への被害こそなかったものの、一時は305世帯に避難勧告が出された。

発生から23日目の15日、足利市は臨時の記者会見を開いた。集まった報道陣を前に和泉聡市長は「2月21日に発生した林野火災ですが、本日午後3時をもって鎮火を内外に宣言させていただき、災害対策本部も解散しました」と発表した。

火災への不安、避難勧告、ヘリコプターの音、煙…周辺地域の住民に対して、「不自由、ご不便をお掛けしました」と陳謝するとともに、「市民のみなさまの理解とご協力をいただいて、ここに来ることができました。自衛隊、東京消防庁、県内外からの消防機関…心から感謝を申し上げたい。」と感謝の言葉を述べた。

市長は会見場の一角を示し、こう続けた。
「市内の幼稚園の子供たちが自衛隊の消火活動、ヘリからの散水活動、地上の消防隊の活動を貼り絵、切り絵にして作ってくれました。本当にありがとうございます」

市長が示すホワイトボードには「子供たちの感謝の作品」が掲げられていた。

「ちいきをまもってくれてありがとう」
「えがおがあるのはみなさんのおかげ」。

そして、そこには
「卒園式を行うことができました」とのメッセージも。

会見でさらに市長が紹介したのは、消防隊員らが撮影した写真。上空から見ると、市内の至る場所に『ありがとう、頑張ってください』というメッセージが書かれていて、ヘリで活動していた隊員たちの励みになったのだという。

校舎の窓や駐車場などに書かれた市民からのメッセージ。
「足利のためにありがとう!」
「アリガトウ消火オツカレサマ」

森高千里さんの曲でも有名な「渡良瀬川」を有する足利市。河川の氾濫による水害を災害の軸と捉えてきたが、今後は山火事も「足利市の守りのテーマ」と位置付け、応援の消防隊や市民への感謝を胸に、新しい防災への取り組みへと歩み出した。