×

緊急事態宣言解除は ワクチンいつ始まる?

2021年1月26日 20:40
緊急事態宣言解除は ワクチンいつ始まる?

■東京3日ぶりに1000人超え
東京都で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は1026人。25日は618人でしたが、また1000人を上回りました。重症者は148人で25日と変わらず。そして25日の全国の感染者は2764人と、4週間ぶりに3000人を下回りましたが、重症者は25日時点で996人と、依然として医療の現場では厳しい戦いが続いています。

■2月7日に設定されている緊急事態宣言の解除はどうなる?
2月7日と設定された緊急事態宣言の解除はどうなるのか。東京の様子を見ていきます。
緊急事態宣言を出す目安となっている指標が「ステージ4」です。そして検査の「陽性率」を見ると、緊急事態宣言初日の1月8日は14.2パーセントと高かったのが、今週は9.0パーセントと確かに下がってきました。一方で、「病床使用率」(重症も含むすべての入院患者がコロナ用のベッドを占めている割合)は、79.5パーセントから70.2パーセントに下がってはいるが、依然として「ステージ4」となる50パーセントを大きく上回る状態です。
こういう状況で緊急事態宣言は来月7日に 解除できるのでしょうか?

ある政府関係者からは、「延長するなら、1週間程度だと変わらないから、ある程度しっかり延長しないと」といった声も出ています。

国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は「1か月ぐらいの延長が必要ではないか」と言います。これまで政府は解除のメドとして、「東京の感染者が500人」という数字を出してきたが、「これをクリアできても、500人という数字自体が高い」と言います。「解除後には、飲食店に行って大声で話すなどの反動が懸念されるため、100人から200人ぐらいまで徹底的に数を落とし込む必要がある」と指摘しています。
さらに医療現場も、2月7日はむしろ悪化している可能性の方が高く、解除によって状況が改善したと思われることも懸念しているとのことです。

■ワクチン接種はどうなる?
政府が確保を見込むワクチンの数は1億5700万人分になります。「史上最大のプロジェクト」とも言われていて、全国の自治体からは、「準備は間に合うのか」と不安の声が大きいです。そこで、あす27日に、神奈川県川崎市で、初めてワクチン接種のシミュレーションが行われることになりました。
「集団接種会場」を設営し、実際の流れを確かめることになります。受付→問診→接種→接種が終わった後に、入る部屋があります。「経過観察」のためで、強い副反応が出た場合にすぐに対応できるようにするため、接種した人は15分から30分ほど待機することになります。
訓練では、一連の流れにどれくらい時間がかかるのか、密にならないよう、いろいろな動線などを確認します。また、シミュレーションを映像に記録し、各自治体に共有し参考にしてもらうということです。

これに先立ち、厚労省から自治体への説明会が昨日行われました。 ワクチン接種に関する説明会は2時間にわたってオンラインで行われました。最新の接種スケジュールや、接種会場の具体的な設営イメージなどが示されました。
自治体の担当者から「医療機関がどれくらい接種に対応してくれるのか、そこに関して不安はある」といった話や、東京・小金井市の担当者からは「医療従事者のすぐその後に間髪おかずに高齢者の接種に移っていくのは、時間も足りなくてプレッシャーがすごい」などの声が上がっていました。やはり、自治体からはスケジュールに関する不安の声が大きかったです。
ワクチン接種のスケジュールの目安について、あくまで自治体が準備を進める時期で、確定ではありませんが、お伝えします。2月下旬の「医療従事者」から始まり、3月下旬ごろから「高齢者」の優先接種が始まります。一般へは5月以降のイメージでしたが、その前の「高齢者への接種」がかなり時間かかりそうだと分かってきました。というのも、想定している65歳以上の高齢者の数は3600万人程度で、この人たちがワクチンを3週間おいて2回目を打つ、全体でおよそ3か月で打ち終わるような態勢の整備を求めています。そのため、高齢者が打ち終わるのが6月下旬くらいから7月くらいになり、一般への接種スタートが、6月から7月にずれ込む可能性があります。これらのスケジュールは、あくまで順調にワクチンが海外から供給されたらの想定です。

今、ヨーロッパでは、ワクチンメーカーが供給を遅らせたことで接種計画に狂いが生じています。日本も他人事ではなく、世界的なワクチン争奪戦の中であくまで供給してもらう立場のため、それを肝に銘じて準備を進めていくしかありません。

(2021年1月26日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)