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「はやぶさ2」カプセルが地球に着地

2020年12月6日 6:44
「はやぶさ2」カプセルが地球に着地

打ち上げから約6年。52億キロを超える旅を経て、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰ったカプセルが6日未明、地球に着地しました。

日本時間6日午前2時29分、オーストラリアの上空に現れた火球。「はやぶさ2」が地球に向けて分離したカプセルが高度120キロで大気圏に突入し、火球となって降りてきました。その3分後、カプセルが位置を割り出すために発信する「ビーコン」という信号が無事、確認されると、JAXA(=宇宙航空研究開発機構)の管制室では大きな拍手と歓声が起こりました。午前3時すぎには、カプセルの着地点が判明したということです。

「はやぶさ2」は2014年12月3日に打ち上げられた後、2018年6月に地球から直線距離で約3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」に到着しました。

今回のミッションで「はやぶさ2」は、「人工的にクレーターをつくる」「同じ天体の異なる2つの地点へ着陸する」など7つの世界初の偉業を達成しています。世界で初めて小惑星の地中の物質を採取することにも挑戦し、砂や石などの地下物質が入ったとみられるカプセルを持って、去年11月から地球に向かっていました。そして、5日午後2時半、高度22万キロメートルでカプセルを地球に向けて分離することに成功しました。

一方、「はやぶさ2」は地球に着陸せず軌道を修正し、そのまま地球から離れて再び次の小惑星の探査に向け、新たな旅に出発しました。

また、6日午前4時47分、カプセルの回収隊はヘリコプターからカプセルを発見。早ければ8日にも、カプセルは日本に帰国する予定です。

「はやぶさ2」との約6年、2194日にもおよぶ長い旅を終えて帰ってきたカプセル。その中身を分析することで、太陽系の起源や生命誕生の謎を解き明かすヒントになる可能性があると期待されています。