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3本の柱で…追加経済対策の「原案」入手

2020年12月3日 0:43
3本の柱で…追加経済対策の「原案」入手

政府が来週決定する追加経済対策の原案を入手しました。感染拡大防止、ポストコロナへの経済構造の転換、国土強靱(きょうじん)化を3本の柱としています。

原案は冒頭、「感染拡大を抑えながら、引き続き雇用と事業を支え、経済をしっかり動かし、引き続き断固として国民の命と暮らしを守り抜く」としています。また、「ポストコロナの新しい経済構造、成長モデルへの転換に向け、企業の現預金の活用を促しながら、主要国に比べて弱い民間投資をしっかり呼び込む必要がある」「来年度中にはコロナ前の経済水準に回帰させ、民需主導の成長軌道に戻していかなければならない」としています。

原案は、新型コロナの感染拡大防止策、ポストコロナに向けた経済構造の転換と好循環の実現、防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保を3本の柱とします。

感染防止策については「緊急包括支援交付金」を増額し、病床確保や宿泊療養施設の確保など医療体制の強化を図り、患者が減っている小児科に診療報酬上の特例措置を認めます。PCR検査やワクチン接種体制も整備します。また、「地方創生臨時交付金」を拡充して自治体が飲食店に営業時間の短縮要請をした場合の協力金の支払いなどを支援します。

さらに、ポストコロナに向けた経済構造の転換では、コロナ禍で浮き彫りになったデジタル化の遅れや東京一極集中などの課題に対処するため、行政手続きのデジタル化やマイナンバーカードの普及促進、教育や医療などのICT化などを一気に加速します。また、現在の5Gより高度な通信インフラを開発し、国際標準づくりに関与するとしています。

さらに、2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする政府目標に向け、「カーボンニュートラル・イノベーション・プログラム」を創設し、エネルギー産業や製造業などの構造転換を図り、国民のライフスタイルも脱炭素型への転換を図るとしています。

また、中小企業の生産性向上や賃金の上昇につなげるため、あらたに「事業再構築補助金」(仮)を創設し、中小企業の経営転換を強力に後押しするとしています。

さらに民需主導の好循環を実現するため、「GoToキャンペーン」は感染防止策を講じつつ、引き続き適切に推進するとしています。観光支援策の「GoToトラベル」は来年6月末まで延長します。キャンペーン終了後に需要が極端に落ち込むのを防ぐため、新型コロナウイルスの感染状況と旅行の需要回復を見ながら段階的に割引率を引き下げる方針です。

サテライトオフィスの整備などを支援し、地方でのテレワークも促進するとしています。また、雇用調整助成金の特例措置は来年2月末まで延長し、3月以降段階的に縮小していくとしています。

政府はこの原案をもとに議論し、来週、追加の経済対策を正式決定することにしています。