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ホタテ食べた“犯人”は?調査で証拠を発見

2020年11月27日 21:13
ホタテ食べた“犯人”は?調査で証拠を発見

国内有数のホタテの産地で、青森県の陸奥湾で、ホタテが何者かに食べられる被害が起きています。被害を受けたのは、青森県の陸奥湾で、漁協が調査をしたところ、ホタテを食べた犯人が、浮かび上がりました。

刺し身でもいただける新鮮そのままを。みそで煮こみ、卵とじ。青森県出身の店主自慢の一品、ホタテの貝焼きです。陸奥湾からホタテを直送するこだわりぶりですが。

酒肴場屯 大高勇輝店主「食害にあっているというのを。こんなの初めてだというのを(漁師から)結構聞いていますね」

ホタテを食い荒らす厄介ものが、突如現れたというのです。その正体を突き止めるべく、国内有数のホタテの産地、陸奥湾へ。

陸奥湾では、カゴにホタテを入れて育てる養殖が多い中、ここ野辺地町の漁協では、ホタテを海底にまく、地まき漁を行っています。豊かな海で自然と育ったホタテ。

町の大事な特産品ですが、皮肉にも海底にホタテをまく、この漁の方法が、食害を一層深刻にしているというのです。

漁師 新谷誠さん「害にしかならない、商売にならないから。ほんといい迷惑ですこれは」

ただ、この死活問題に、漁協も黙ってはいません。今月初め、水中調査を行い、しっかり証拠をつかんでいました。海底にちらばるホタテ貝。ダイバーは、ひとつひとつ手にとり確認していきます。

さらに先へと進むと、そこに突如現れたのは、幾重にも重なりあったホタテの山。

野辺地町漁協 山縣勝彦さん「食べられたホタテですね。(地まき漁全体の)1割から2割くらいは食べられている可能性はあるんじゃないかと。かなりの痛手ですね」

漁協は、この映像から、食べものを集める習性があることを確認。厄介ものの正体を突き止めました。

なんとこの時期、陸奥湾には、ほとんどいないはずのマダコが、ホタテを食べていたというのです。専門家も、確かにタコには、物を集める習性があるといいます。

県もタコによる食害を、考えているといいます。

青森県産業技術センター 水産総合研究所 野呂恭成さん「例年に比べるとタコが(陸奥湾に)多いということで、食べられている可能性があるということです。(漁協からの情報などからタコが)ほかの海域から移動してきたものと考えています」

深刻なタコの食害。ただ県は、陸奥湾産のホタテは、大半が養殖のため、全体の生産量に大きな影響はないとしています。