煮込みすぎ?だしパックで園児28人食中毒
東京・墨田区の保育園で、給食を食べた園児28人が食中毒を起こしていたことがわかりました。給食に出されたのは、きつねうどん。食中毒の原因となったのは、具材ではなく、スープを作るときに使った、だしパックでした。
東京・墨田区にある保育園。
「こちらの保育園が提供した給食により、園児約30人に食中毒が起きたということです」
先週、給食を食べた1歳から6歳までの園児28人が、食中毒の症状を訴えました。症状はいずれも軽症で、顔や腕に発疹が出たといいます。
食べた給食というのが、きつねうどん。そこから検出された「ヒスタミン」という物質が食中毒を引き起こしたといいます。
東京都によりますと、保育園はうどんを作る際に、業務用のだしパックを使用。そのだしパックを長く煮込みすぎたことで、「ヒスタミン」が溶け出した可能性があるというのです。
だしパックが引き起こした可能性がある、今回の食中毒について街のひとからは驚きの声が。
「(だしパック)で食中毒というのは、聞いたことが今までなかったので、怖いね」
「一緒に煮込んだりもしているから。40分以上煮込んだりもしてるので」
「煮詰めれば煮詰めるほど結構いい味出るんじゃないかと思っちゃう」
「ヒスタミン食中毒」とは、どのようなものなのでしょうか?
だしのもとに使われるマグロや、かつおぶしなどの赤身魚。そこに含まれるアミノ酸の、一種の温度管理の不良などにより、ヒスタミンが多量に作られ、食中毒の原因になるといいます。
東京都によりますと、今回のだしパックには、原材料として、かつおぶしが入っていて、検査したところ、そのだしパックから、微量のヒスタミンが検出されたということです。
商品のパッケージに記載された煮出し時間は、10分間。しかし、保育園では、およそ5倍にあたる45分間煮たということです。
ヒスタミンは加熱しても、減らすことができないため、魚や加工品の保存方法には注意が必要。
東京都は、常温では放置せず、冷蔵庫の場合でも長期間保存するとヒスタミンが増えることがあるので、できるだけ早く食べるようにしてほしいと話しています。