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現在流行ウイルス“武漢確認”より感染力強

2020年11月13日 22:34

現在、世界で流行している、新型コロナウイルスは、中国・武漢で確認されたウイルスに比べて、感染力が強いことが、ハムスターの実験でわかったと東京大学の河岡義裕教授などが発表しました。

これは、東京大学医科学研究所の河岡義裕教授と、ノースカロライナ大学の研究グループが発表したものです。

現在、世界や日本で流行している新型コロナウイルスは、中国・武漢で確認された、野生型ウイルスの表面のたんぱく質の一部が変異している型です。

河岡教授らは、「野生型」のウイルスと、人為的に作った「変異型」のウイルスをハムスターに感染させて、別のケージにいるハムスターにどの程度、感染させるか調べました。

すると2日後、「変異型」では、8ペアのうち5ペアが感染しましたが、「野生型」では感染は確認されませんでした。

つまり、ウイルスの一部が変異したことで、飛まつ感染させやすくなったとみられるということです。

また、ヒトの細胞やハムスターの体内で調べたところ、「変異型」が「野生型」よりもウイルスが増えやすいことも、わかったということです。

一方、「野生型」と「変異型」ではハムスターの肺の炎症には、差がみられなかったことから、この変異は、重症化するかどうかの「病原性」には、「大きく影響しないことがわかった」としています。

また、「野生型」に感染した人の体内に、再びこのウイルスへの感染を予防するための「中和抗体」が、「野生型」と「変異型」両方に効果があることがわかりました。

このため、「野生型」をもとに開発されてきたワクチンは、「変異型」にも効くことが期待されるということです。