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川一面に水草が“異常繁殖”その理由は?

2020年10月29日 21:02
川一面に水草が“異常繁殖”その理由は?

繁殖力の強い外来種の水草が、水面を覆い尽くす事態が起きています。それは私たちにも馴染みがある水草なのですが、なぜ今年こんなにも大発生したのでしょうか。

その現場があるのは、香川県高松市。

川の岸から岸を覆い尽くした水草。畑と勘違いしてしまうような光景です。

ドローンで撮影してみると、幅50mほどある川にびっしりと水草が。

現場は高松市内を流れる春日川。県の土木事務所によりますとおよそ2キロもの範囲で水草が大量発生しているというのです。

近隣住民「(今年は)量がすごいと思う」

水面から高さ50センチほどにまで成長していたこの水草。その正体は…。

香川県高松土木事務所 古川哲男課長「ホテイアオイという水草になります」

ホテイアオイ。実は私たちに身近なもので。

SPLASH赤羽店 清水航大店長「こちらがホテイアオイになります」

熱帯魚などを取り扱う都内の店では、1つ200円で販売。

清水航大店長「浮き草といえばホテイアオイというぐらい、かなり人気の種類」

コロナ禍で、いま売り上げが伸びているというメダカとともに、ホテイアオイも売れているといいます。

南米が原産で、もとは観賞用として日本に輸入された「ホテイアオイ」。

夏になると紫色の花が咲き、その美しさも魅力の1つですが、購入した人が川や池に捨てるなどしたことで野生化、現在、北海道を除く全国に分布しています。

繁殖力が強いことで知られ、生態系への被害が及ぶ可能性があるとして環境省の「重点対策外来種」にも位置づけられているのです。

香川県の春日川では、これほど繁殖したのは今年が初めてだといいますが

古川哲男課長「普段なら小さいうちに下流へ流下していたんですけども、雨が少なかったせいで、河川にとどまった」

今年の猛暑も、異常繁殖につながった可能性があるといいます。

県は1000万円を投じ、撤去に乗り出していますが、その全体量については、いまだ把握できていない状況。

さらに近隣住民が懸念しているのが…。

近隣住民「これから枯れてくるんですよ、そしたら腐敗臭というかくさいんです」

冬には枯れ、その悪臭が漂うといいます。

影響は他にも。

外来生物の生態を研究する 国立環境研究所 五箇公一室長 「水中に光がいかなくなってしまうので、酸素濃度が低くなって、魚も生きられなくなるし、生態系そのものが死滅してしまうということになりますね」

香川県の土木事務所は、年内を目標に水草の除去を目指しているということです。