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魅力度“最下位”の街「山武市」何と読む?

2020年10月29日 20:45
魅力度“最下位”の街「山武市」何と読む?

先日、発表された市町村別の魅力度ランキング。参加した1000の自治体のうち最下位となった街が関東にあります。一体、そこはどんなところなのでしょうか。市長は、初めて味わった屈辱に「これをチャンスに変える」と前向きにとらえていました。

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突然ですが、都市の名前「山武市」、何と読みますか?

「さんぶし」「やまたけし」――ほとんどの人が不正解。

正解は――

松下浩明市長「さんむしといいます。さ・ん・む・市・です!」

千葉県の北東部に位置する山武市は豊かな自然がウリにもかかわらず、東京まで特急で1時間。成田空港はバスで30分というアクセスの良さが魅力です。

しかし、山武市は先日発表された市町村別の「魅力度ランキング」で参加した1000の自治体のうち、最下位タイの997位という結果に。初めて味わったというこの屈辱に対し…。

松下浩明市長「これをチャンスにしなきゃいけないと前向きに考えております」

山武市が誇る本須賀海水浴場は、去年、厳しい環境基準を満たしたビーチなどに与えられる国際認証「ブルーフラッグ」も取得した名物観光スポットの一つ。

しかし、問題も…。

丸太が何本も並べられててぐらぐらします――この道を通らなければ海にたどり着けないのです。現在工事中で、来年3月末にはアクセスが良くなると話します。

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山武市の魅力はほかにも…。

道の駅にほど近い「レストラン蓮味」では、ジューシーな味わいのイワシ丼。これを目当てに連日、多くの人が訪れるといいます。

レストラン蓮味・従業員「ここの下がすぐ海岸なんですね。山武市の海でとれたイワシを毎日入れていただいて、うちで出してます」

さらに、農作物も有名。一押しは、来年出荷のピークを迎えるこの「九十九里海っ子ねぎ」です。

ネギ農家・川島勝彦さん「九十九里沖の海水を定期的に散布して、海のミネラルをネギに吸収させる」

海水を使うことで、ネギが太く、甘く育つといいます。

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なぜ魅力たっぷりの山武市が最下位になってしまったのでしょうか?原因の一つは、やはり…市民でも間違えるこの読み方。

山武市は2006年に山武町はじめ4つの町村合併で誕生しましたが、合併前はさん「ぶ」まちだったのに、合併したらさん「む」し。

元々、山武市周辺は古墳時代、武射の国と呼ばれていて、合併時にこの古の名前をとったことが理由の一つだといいます。

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一方、九十九里浜が一望できる山武市のホテル。広大なドッグランも人気で連日満室の盛況だといいますが、ある不満が――。

代表取締役・海保秀和さん「『九十九里浜に来てる』って認識で皆さん、いらっしゃってる」

九十九里浜が有名すぎて、山武市の名前がなかなか浸透しないというのです。

代表取締役・海保秀和さん「もう少し山武市として地名度を我々含め上げていけば、もっと胸張って山武市をうたっていける」

熱く語った代表。しかし、このホテルの名は…「&WAN九十九里」。

代表取締役・海保秀和さん「そうなんですね若干ちょっと裏切ってるんですけど…」

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山武市は今後、どのように魅力をアピールしていくのでしょうか?

まずは、山武市公式ゆるキャラ・SUNムシくんを使った動画配信などを強化。また、移住の促進のため、山武市に転入し、家を建てたなどの際、最大75万円を補助するなどの支援も充実。今後、市をあげて、名誉挽回をする意気込みです。