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マスクの種類で予防効果に差が 世界初実験

2020年10月22日 22:19
マスクの種類で予防効果に差が 世界初実験

自粛緩和の動きが活発となる中、身近な感染対策のマスクがどの程度効果があるか、世界初の検証が行われました。研究結果によりますとマスクの種類で効果に違いがあるといいます。

■23日から発売開始 “都民割”とは?

10月23日から、東京都民を対象としたいわゆる“都民割”の販売が開始されます。

都民が都内を泊まりがけで旅行する場合、1人1泊あたり5000円が補助されます。日帰り旅行の場合は、1回2500円補助されます。

ただ、販売できるのは登録している旅行業者や旅行予約サイト、「GoToトラベル」に登録している宿泊事業者だけですので、注意が必要です。

金額の条件についてですが、「GoToトラベル」と併用する場合は1泊9000円以上、併用しない場合は6000円以上。利用期間については来年3月31日まで、もしくは40万泊分の予算がなくなり次第終了ということです。

ホテルなどでは「GoToトラベル」と都民割に加えて、独自の特典をつけたプランを販売する動きも出ています。

東京・千代田区のホテルニューオータニですと、例えば女性を含めた3人の宿泊の場合、プラン料金が3人で3万769円ですが、「GoToトラベル」と都民割を合わせて使うと、支払う額は3人で5000円になります。さらに、「GoToトラベル」についてくる地域共通クーポンをあわせると、実質0円になるということです。

■“東京都民かどうか”確認が必要

ただし、都民割を使う前に注意点があります。利用するには東京都民だと証明しなければいけません。

証明するタイミングは、申し込みの時と、さらにホテルなど現地に到着した時の2回、証明する必要があります。

証明するものとして認められるのは、「免許証」「住民票」「マイナンバーカード」などです。

「公共料金の領収書」「住所が印字されていない保険証」は証明するものと認められません。しかも、代表者だけでは認められず、家族なら家族全員分の証明が必要で、子供も例外ではありません。

■“都民割”…業者は混乱も

現場では混乱も起きています。都民割を販売する業者は、登録の申請をして、それぞれ「あなたのところは何泊分販売していいですよ」と枠が与えられます。ところが、申請は済んでいるのに10月22日になっても、この枠が「知らされていない」ところや、登録の書類も「届いていない」というところもあるそうです。

どうしてこんなことになっているのか、この事業の担当者に聞いたところ、「23日に一律でスタートではない。早く販売したいという事業者の声をくんで、『準備が整ったところ』から販売できるようにした」ということです。このため、24日から利用開始ですが、まだ準備が整っていない業者もあるので、きちんと確認して申し込みましょう。

■マスクの予防効果 研究結果発表

こうした「GoToトラベル」に加えて"都民割"で自粛緩和の動きが広がっていますが、10月22日の東京都の感染者は185人、3日連続で100人を上回って高止まりが続いています。引き続き感染対策が必要な状況は変わっていません。

そうした中、身近な感染対策である「マスク」について、気になる研究結果が発表されました。東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らが行った研究です。

マスクの予防効果を、世界で初めて「実物の新型コロナウイルス」を使って検証しました。これまでもコンピューターを使った実験行われていましたが、実際のウイルスを使うことで、重さや大きさなどの面で、より実態に即した実験ができます。

さらにウイルスが「生きたまま」どのくらい届くかがわかります。ウイルスは飛沫になって飛んでいる間に、一定量が死んでしまいます、つまり、吸い込んでも感染力がありません。

そこで、ウイルスが漏れ出さない空間に、口元からウイルスを出すマネキンと、空気を吸い込むマネキンを向かい合わせに設置し、マスクの効果を検証しました。使われたマスクは「ガーゼの布マスク」、「市販の不織布のマスク」、「医療現場で使われるN95」の3種類です。

まず吸い込む側だけにマスクをつけた場合、吸い込むウイルスの量に大きく差が出ました。マスクをしていない状態と比べて、布マスクは17%、不織布は47%、N95は79%、ウイルスを抑えることができました。種類によって差があることがわかります。

一方、飛沫を出す側だけマスクをした場合は、布も不織布も70%抑えることができました。つまり実験でわかったのは、飛沫を出す側がマスクをするとより効果的だということです。

ただ日常生活では、誰がウイルスを持っているかわかりませんし、誰もが飛沫を飛ばしていますので、、お互いが常にマスクをすることが大事と今回の実験でわかりました。しかし、数字でもわかるとおり、効果は100%ではありません。マスクを信じすぎないで、手洗い、うがい、ディスタンスなど、ほかの対策も行うことが大切です。

(2020年10月22日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)