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“経験が通用しない”台風10号に人々は…

2020年9月6日 21:31
“経験が通用しない”台風10号に人々は…

台風10号は、非常に強い勢力を維持したまま九州南部に接近している。

気象庁は台風10号による鹿児島県への特別警報の可能性は低くなったとしているが、依然として、これまでに経験したことがないような暴風、そして高潮などにより甚大な被害が出るおそれがあり、最大級の警戒を呼びかけている。

そして、台風10号の影響は、遠く離れた東日本や西日本でも出ている。

◆「強さが全然違う」台風…最大級の警戒

轟音(ごうおん)が響きわたり、木々が大きく揺さぶられる。6日昼前、台風10号の暴風域に入っていた鹿児島・奄美大島。島内にあるホテルの廊下には、雨が入り込んでいた。

ネイティブシー奄美・石黒伸副支配人「建物が結構揺れるくらいの風の強さでした。(通常の台風とは)強さが全然違うという印象はありました」

奄美大島では6日、最大瞬間風速38.1メートルを観測した。正午すぎ、台風の暴風域に入った鹿児島県の屋久島。ホテルの中から外を見ると、雨風ともに強まってきて、木が大きく揺れて今にも倒れそうな様子。電線も大きく揺れている。海は大きくうねり、波が強く打ち付けていた。

その3時間後には、雨風ともにさらに強まり、視界も白くかすんでいた。

さらに、午後3時半すぎ、非常灯で照らされた薄暗い店内。町内のスーパーでは停電が起きていた。役場によると、島のほぼ全域で停電したという。

気象庁は6日、鹿児島への台風の特別警報の可能性は低くなったとしつつも、引き続き、最大級の警戒を呼びかけた。

気象庁・中本能久予報課長「台風が接近する地域では、記録的な大雨・暴風・高波・高潮に最大級に警戒してください。早めに避難していただきたいというのは、変わっていません」

◆コロナ禍の台風…ホテルに避難する住民も

午前中から横殴りの雨が降った鹿児島・志布志市。市内のホテルには、避難のため、住民が続々とチェックインしていた。

避難してきた家族「(今回の台風は)死の危険があるんじゃないかと思って。コロナもあるので、ホテルが空いていればホテルかなと」

人が集まる避難所ではなく、密になりにくいホテルを選ぶ住民も多く見られた。このホテルでは、40ある部屋が、すでに満室だという。

さらに、ホテル内のレストランを見てみると、緊急時にはレストランを開放し避難する人を受け入れようと、布団を準備していた。

5日、バンキシャが出会った隈崎昭忠さん。

隈崎さん「きょう中に用(台風対策)を済ませて、明日避難します。(コロナ対策で)できるだけ人と接しないように、部屋に入って、ホテルに守ってもらう」

家族6人。袋いっぱいに、カップ麺などの非常食を用意。6日、台風が近づく前に市内のホテルに避難した。

隈崎さんが6日正午すぎに避難先のホテルから撮影した映像を見ると、まだ台風の暴風域には入っていなかったものの、すでに強い雨と風が吹き付けていた。

◆影響は、遠く離れた東日本や西日本でも

これまでに経験したことがないような被害をもたらす可能性がある台風10号。その影響は、台風から離れた場所でも。

台風10号から遠く離れた紀伊半島や関東でも、局地的な大雨に見舞われた。

6日午後3時ごろ、東京の空に不気味な灰色の雲がかかっていた。

神奈川・綾瀬市では、激しい雨が車の窓を打ち付けていた。道路には水しぶきがあがる。同じころ、相模原市でも、地面をたたきつける激しい雨が。

気象庁は、台風の進路にあたる地域ではない場所でも土砂災害や川の増水などに警戒するよう呼びかけている。

(9月6日放送「真相報道バンキシャ!」より)