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夜の街で感染、家族にうつり…今思うことは

2020年7月11日 5:35
夜の街で感染、家族にうつり…今思うことは

10日、東京では新たに243人の感染がわかり、「夜の街」の外への広がりが懸念されています。実際に夜の街で感染し、家族にうつしてしまったという30代の女性が、zeroの取材に語ったこととは。

◆飲み会にフェースシールドも…店にはキャンセル

金曜の夜、東京・新橋。出会ったのは、フェースシールドをつけた男性。

会社員(30代)「(きょう)買ってきまして、1日中つけてました。このまま飲み会してました。これが1枚あるだけで、やっぱり違いますよね」

会社員(28)「0次会的な感じで(缶ビールを飲んでいる)。このあとがメインであるので1杯だけ」「密になるような店には行かないようにしてます」

これから飲みに行くという人もいれば──

会社員(25)「コロナのニュースを聞くと、軽く飲みに行くもんじゃないなと」

会社員(20代)「電車が混むのが嫌なので、すいているうちに帰りたい」

店側は──

焼き鳥店 代表「(予約が)20、30件あったのが、10件キャンセルが出てしまった。コロナのせいというのは皆さんおっしゃいますね。3歩進んで100歩下がっちゃってますね」

◆東京の感染243人、過去最多を更新

10日午後5時半過ぎ──

東京都・小池知事「きょうは(感染者が)243人のうち142人が濃厚接触で。背景にはやはり検査数が3000を超えているということもあります」

9日の224人を上回り、過去最多を更新した都内の感染者。10日も若い世代の感染が多く、20代だけで126人。30代が60人で、合わせて全体のおよそ8割を占めています。

また、会食での感染が31人、家庭内での感染が17人。

そして、俳優の山本裕典さん(32)も感染したことが判明。所属事務所によりますと、山本さんは先月30日から今月5日まで行われていた舞台に出演していたということです。これまで、この舞台のスタッフや客を含めて14人の感染が確認されていて、都は“クラスター”が起きたとみています。

一方、10日の“夜の街”に関係する感染者は110人。新宿エリアだけで93人いて、そのうちの47人は新宿区の集団検査で判明したホストだということです。

◆“夜の街”で感染、彼女がとっていた行動は

10日、話を聞かせてくれたのは、かつて歌舞伎町の“夜の街”で働いていたという30代の女性。見せてくれたのは、『COVID-19』と書かれた証明書です。先月、新型コロナウイルスに感染しました。

その直前、彼女がとっていた行動は──

感染した女性「(午後)10時くらいから朝5時くらいまでずっと歌舞伎町で色々な店をハシゴしていた。知り合いと歌舞伎町で飲み会みたいなものをして、まずホストクラブに行って、そのあとにキャバクラに行って、そのあとバーに行って、最後ボーイズバーみたいなところに行って」

女性は先月17日、夜の10時から始発までホストクラブやカラオケバーなど複数の店をハシゴ。4日後の21日に、妹と知人と会食したといいます。すると、その日の夜に微熱と咳が。翌日、熱が上がり38.8℃に。頭痛と嘔吐(おうと)の症状も出始めます。

自宅近くの病院に行きPCR検査を受け、その3日後、陽性と判明しました。

感染した女性「“若者は重症化しない”とよく言われているので、なったら運が悪かったと思うしかないなくらいの感じ」

感染を甘く見ていたといいますが──

感染した女性「病院行って帰ってきて、薬とか飲んでたら嘔吐しだして、水を飲むだけでもすぐ吐いて、丸2日間何も食べられなくて。あのしんどさを経験しているので、もう一回なったら嫌だなと」

警戒が呼びかけられる中、“夜の街”を遊び歩いたという女性。感染経路はわかっていませんが、後悔の気持ちは大きいといいます。

感染した女性「(“夜の街”で)感染が増えていると言われていた時期にホストクラブに行って、シャンパンコールもやってもらった」

Q.)その時ってマスクは?

感染した女性「誰もしてなかったです。やっぱりそういう(対策をしていない)場所に行くのが一番危険なんだなと」

さらに、一緒に食事をした妹も感染したといいます。

感染した女性「(妹たちは)歌舞伎町に行ったり、そういう飲みとかする子たちじゃないので、確実に自分が感染源だとはっきりわかっているので。(以前は)なったらなったで仕方ないとずっと思ってて、今でもそう思っている若者はたくさんいると思うんです。仲のいい人がもし重症化して亡くなったらとか、飲んでいる若者たちにもう一回考えてもらえたらなと思います」

◆思い出横丁も…新宿というだけで客が寄りつかない

その歌舞伎町で、10日午後7時半過ぎ。金曜日の夜にしては、人の通りは少なく感じます。

飲み屋街・新宿西口思い出横丁も、静かな通りに。居酒屋の店内は、寂しく皿と箸だけが並んでいます。

居酒屋店主「たまにしか(客は)来られないですね。常連のお客様ですらそういう状態」

場所が新宿というだけで、客が寄りつかないといいます。店の関係者たちは、協力して、飲み屋街全体を定期的に消毒しているといいますが──

居酒屋店主「寂しい街になっちゃった。(普段は)人と人がぶつかるくらい人が多いです。コロナウイルスの感染者を減らしてもらいたい。そうじゃないと店の存続に関わります」


(*7月10日放送『news zero』より)