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水害での「避難の心得」と被災時の注意点

2020年7月7日 20:18
水害での「避難の心得」と被災時の注意点

記録的な大雨が九州を襲っています。6日から福岡・佐賀・長崎に出されていた大雨特別警報は解除されましたが、危険が去ったわけではありません。 覚えておくべき「避難の心得」や、浸水被害を受けてしまった時に気を付けたいポイントをまとめました。
 
7日から8日朝にかけての雨の予想です。九州北部にかかって発達した雨雲は、8日朝にかけて中国地方に移動します。九州地方は7日夜いっぱい、中国地方は7日夜遅くから8日の朝にかけて非常に激しい雨が降る恐れがありますので、九州以外の地域も含めて厳重な警戒が必要です。 
 
■浸水の怖さ 水深50センチで歩行困難に
 
浸水被害は決して他人事ではありません。そして、もし家の周囲などが浸水してしまうと、水の深さが50センチ以上で大人でも歩行が困難になります。50センチというと、だいたい大人の膝くらい。これ以上の高さになると、ほとんどの人が避難が難しくなると覚えてください。 
 
水が流れていない状態で水が腰より下の深さまであるとき、水が毎秒1メートルの速さで流れると、大人でも流されてしまうほどの勢いになります。水の流れが激しい場所では、さらに歩くのが難しくなります。
 
水の事故について研究している「水難学会」によると、自宅が浸水する可能性のある地域にあり、かつ避難が必要な場合は、避難のタイミングは「明るいうちに浸水前」が理想です。どうしても浸水している道を避難しなければならない場合、たとえ浸水していなくても、以下のような格好が良いそうです。 
 
1、緊急の浮き具を身に着ける
ビニール袋に衣服などを詰めたリュックサックがいざという時の浮き具になるそうです。2個あれば、前方と後方に付ける。リュックサックがなければ、厚手のジャケットも浮き具になります。 
 
2、杖をつき、目立つ格好で歩く
捜索となったとき、髪の毛の黒い頭は上から見えにくいということがあります。目立つ赤・白・黄の帽子など、できるだけ派手な色の格好がいいということです。杖、もしくは杖の代わりになる棒状のものは、足元の安全を確認するために使います。浸水した道は濁っているため、マンホールの蓋が外れたり、見えない深みがあり、そこに吸い込まれてしまうかもしれません。 
 
3、長靴ではなく運動靴
長靴はダメです。水が入ると歩きづらくなります。 
 
4、「緊急通信手段」を肌身から離さない
スマートフォンなどの携帯電話を肌身離さず、首からぶら下げられるようにしておいてください。深みにはまるなどトラブルが生じたら、迷わず119番通報してください。 
 
もし、すでに浸水してしまっていた場合は、「垂直避難」の検討をしてください。マンションなど丈夫で高さのある建物に住んでいる場合は、高層階に一時的に避難するのも選択肢です。近くに公民館など3階以上に逃げられる建物がないか確認しておくのも良いです。一軒家の自宅にとどまる場合でも、川の近くの方は2階以上で寝る。崖の近くの方は崖から離れた側の部屋にいるようにするのも大切です。 
 
■避難前に「重ねるハザードマップ」で検索を
 
いますぐ逃げなくてはいけないときに迷ってしまうこともあるかと思います。そのために見ておきたいのが「ハザードマップ」です。ハザードマップの探し方を1つ紹介します。 
 
インターネットで『重ねるハザードマップ』と検索してください。これは国土交通省がまとめたもので、自分が住んでいる地域にどのような危険があるのか、分かるマップが出てきます。スマートフォンでも見られます。
 
画面左に様々な項目がありますが、「洪水」を選んでみます。 例えば、今回大きな被害があった熊本県人吉市付近を見てみると、球磨川の流域にオレンジ色やピンク色の場所が広がっていることが分かります。ピンクは10m以上の浸水の可能性がある地域で、色が濃くなるほど被害がひどくなると想定されている地域です。多くの高齢者が亡くなった球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」も、このピンクのエリアの中にあります。7日の気象庁の会見でも、ハザードマップを確認してくださいという話が出ていました。 
 
■浸水被害を受けたら、4方向で写真撮影を
 
一方、今回の水害で自宅が水や泥につかってしまい、片付けを始めている方もいらっしゃるかもしれません。水が引いたときの注意点もお伝えします。 
 
自宅が浸水してしまった場合、被害の様子が分かる写真を撮るのが大切です。のちに自治体からの罹災(りさい)証明書を受けたり、保険会社に保険金を請求したりする時に使います。水や泥が引いて安全を確保したのちに、家の外は4方向から、浸水した深さが分かるように撮ります。家の中の状況も忘れずに記録してください。 
 
また、今の時期はカビや感染症などが心配ですので、自宅の床下や壁、フローリングなどの乾燥や消毒が大切です。詳しいやり方については「震災がつなぐ全国ネットワーク」が作成した『水害にあったときに』で検索すると手引きが出てきますので、落ち着いたときに確認していただければと思います。 
 
今後、少なくとも8日までは広い範囲で大雨の恐れがあり、気象庁は「九州以外の地域でも、特別警報が出るほどの雨が降る可能性がある」としています。十分に警戒してください。 
 
※2020年7月7日放送 news every.「ナゼナニっ?」より