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中国で新型豚インフル ヒト→ヒト感染は?

2020年7月1日 20:13
中国で新型豚インフル ヒト→ヒト感染は?

専門家「新型コロナがまだまだ世界中に広まる状況なのに、新型インフルエンザが流行したら大変なことになってしまう」

東京では7月1日、67人の感染者が新たに確認されました。連日50人を超える感染が続く中、中国では新型のインフルエンザが確認されたという話も。すでに「豚からヒト」へと感染していることが分かっており、専門家は「人から人への感染が十分にあり得る」と話しています。

■都内の感染者数、緊急事態宣言の解除後で最多

7月1日の東京の新たな感染者67人は、緊急事態宣言が解除された後、最も多い数字となりました。6日連続で50人を超える数字となっています。

6月30日に東京都で感染が確認された54人の内訳は以下の通りです。
感染経路不明:28人(全体の約半分)
“夜の街”関連:15人 
家庭内での感染:9人
この中には、10歳未満のきょうだい2人が母親から感染したケースがありました。 
また会食ですが、40代と50代の男性が同じ会食で感染したとみられており、この会食は約20人規模だったということです。この会食での感染は他の県でも4人報告されています。 
 
また、6月30日に全国で確認された新たな感染者は138人。 
このうち、東京が54人、神奈川が31人、埼玉が10人と、関東が中心になっています。 
 
6月30日に判明した神奈川県の新規感染者31人のうち26人は、横浜市内の同じホストクラブの従業員でした。 この店ではほかに6人の従業員の感染が判明していて、1つの店で32人が感染していたということです。このうち数人は、すでにクラスターが発生している東京・新宿のホストクラブと行き来していたということが分かっています。 

■中国は新型の「豚インフル」確認

一方、中国で非常に気になる話があります。 
 
6月29日、中国の研究チームが新型の豚インフルエンザを確認したと発表し、これを「G4」と名付けました。2016年ごろからこのG4のウイルスが多く検出されるようになったということです。すでに「豚からヒト」への感染が起きていることが明らかだといいます。 

これが要注意なのは、ヒトからヒトにうつる「新型インフルエンザ」になるかもしれないからです。 

2009年に世界的なパンデミックを起こした新型インフルエンザ。このシーズンだけで世界で多数の死者を出し、日本にも上陸しました。この時の新型インフルエンザのウイルスは「豚由来」のものだったことが分かっています。 さらに今回のG4ウイルスも、この2009年のウイルスに由来することが分かっているため、注意が必要だということです。 

■専門家「ヒトーヒト感染は十分あり得る」

改めて豚の新型インフルエンザがなぜ注目されるのか解説します。 
 
もともとは鳥の体内にあるインフルエンザウイルス。この鳥インフルエンザウイルスと、人のウイルス、さらに豚のウイルスが、豚の体内で混ざり合い、いわば合体することがあります。こうして生まれるのが「新型の豚インフルエンザ」というわけです。 

今回のG4ウイルスについてはどう混ざり合ったかはまだ分かっていませんが、すでに「豚からヒト」へと感染していることが分かっています。 
これがもし、「ヒトからヒト」へと容易に感染する力を持つと、ヒトの「新型インフルエンザ」となります。2009年に起きたようにほとんどの人が免疫を持っておらず、瞬く間に世界中に広がってしまう可能性があるということがポイントです。 
 
では、今の時点でこの新しい豚インフルエンザG4をどのくらい警戒すればいいのか?専門家に聞きました。 
 
国際医療福祉大学・成田病院 松本哲哉主任教授 
「この「G4」ウイルスは、人から人への感染が十分にあり得るウイルス。ウイルスのタイプがH1型で、人が持っているインフルエンザのタイプに近いため、2009年の新型インフルも豚由来でH1型だった」

今はヒトヒト感染が広がっている状況ではありません。 
しかし松本先生は「新型コロナがまだまだ世界中に広まる状況なのに、新型インフルエンザが流行したら大変なことになってしまう」と心配しています。また、「中国政府には情報公開と徹底的な対策で封じ込めてほしい」とおっしゃっていました。 

私たちができることとしては、新型コロナウイルスも新型インフルエンザも予防策はまったく同じだということです。手洗い、消毒、人にうつさないためのマスク、3密を避けるなどです。 

今、増加している傾向にも注意しなければなりません。基本的な対策を徹底すれば、新型インフルエンザも広がりを抑えられるということですので、注意が必要です。 

2020年7月1日放送 news every.「ナゼナニっ?」より