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LAの日本人、店襲撃され…開店続ける思い

2020年6月7日 13:20

黒人差別への抗議デモが続くアメリカ・ロサンゼルスでは、混乱の中で日本人のレストランも襲撃されました。被害を受けながらも店を開け続ける店主に、その思いを聞きました。

1週間以上、続いているロサンゼルスでの抗議デモ。略奪などの被害が多発した場所では、次の被害に備えて通りの先まで板が張られています。

渡辺悠子さんは、被害者の1人。抗議デモの規模が一段と大きくなった先月30日、店が襲撃されました。

渡辺悠子さん「寝ていた午前1時ごろ、電話が鳴って『お店を誰かが攻撃している』と」

経営しているレストランの窓ガラスが、若者らによって割られていたのです。

駆けつけた渡辺さんは、恐怖よりも怒りがこみ上げ、ホウキを手に若者らを追い払ったといいます。

渡辺悠子さん「コロナのこともあるし、お金もない、学校もない。そういった若者が不満の塊でダウンタウンに集まってきていて、無差別に攻撃したと思う」

ロサンゼルスで相次いだ放火や略奪。当局は、ほとんどが、抗議デモの混乱に便乗した人々によるものとみています。

ロサンゼルスに移り住んで20年。渡辺さんは、さまざまな場面で、「黒人だから」という見方が染みついていると感じてきました。

渡辺悠子さん「『黒人だから構えてしまう』と言うとか、白人だから黒人だからって、本当はない。でも、その固定観念はすごく根付いていて、ひしひし感じる」

店があるダウンタウンでは、連日、抗議デモが行われ、略奪は収まってきたものの緊張した状態が続いています。

被害を受けながらも渡辺さんは店を開け、社会の変化を見つめていきたいと話します。

渡辺悠子さん「どうしたら何が変わるかっていうのは分からないが、とにかくみんなデモ行進をしている。何かが変わってほしくて。店が被害を受けたから、だから余計に変わってほしいというのが切実な願いです」