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バナナ品薄、値段が倍の店も…何が?

2020年5月8日 19:21
バナナ品薄、値段が倍の店も…何が?

栄養バランスがよく、朝食やおやつに手軽なバナナ。実は今、スーパーなどで品薄となっています。その影響を受け、価格も上がっています。品薄となっている背景には何があるのでしょうか。

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8日、都内の青果店。多くのお客さんが手にしていたのは、栄養バランスがよく、すぐ食べられるバナナです。

バナナを購入した人「(果物の中で)一番安いから食べます」「ジュースに入れているので」

バナナジュースがタピオカに次ぐブームといわれるほど。ますますニーズが高まっているバナナ。しかし今…

新宿八百屋 専務取締役・荒巻秀俊さん「今年の推移でいうと68円から75円、85円、95円という感じで。バナナの仕入れ値も上がったしバナナの総量も減っている。(仕入れ値は)2割から2割5分違う」

品薄で仕入れ値が上がっているというのです。

福岡県にあるスーパーでも、野菜などが大量に陳列される中、バナナ売り場には空きスペースが。普段は100房ほど並んでいるというバナナが、この日は20房ほどしかありませんでした。

明治屋ジャンボ市 太宰府店・白水朝幸さん「普通だったら10ケースとるところを毎日5ケースほどの数です。仕入れ先がバナナが少なくなると言っていたんですけど、ここまでなるとは思っていませんでした」

さらにこちらの青果店では、通常1房100円だったバナナを先々週から倍の200円で販売しています。しかし、この価格でも…

吉田青果・中村康平さん「値段はこれでギリギリです。仕入れ値が高いけれど(これ以上)高くして売れなかったら意味がない」

日本バナナ輸入組合によりますと、先月20日から1週間の、主産地フィリピンからの輸入量は前年と比べ10%から15%減少したといいます。

実はここにも新型コロナウイルスの影響が及んでいました。

卸売市場の青果会社は――

福岡大同青果・松竹慶久さん「産地であるフィリピンのダバオという都市があるが、近辺の州が都市封鎖となり産地に入れない。農業従事者が中に入れない、作業ができないということで出荷の数量が予定外に減ってしまっているのが続いている」

日本ではバナナのほとんどを輸入に頼っていて、その8割はフィリピンからのもの。新型コロナウイルスが産地フィリピンでも感染拡大し、収穫・物流の停滞が日本での品薄につながっているといいます。

さらなる影響拡大を心配する声も。都内にある人気のバナナジュース専門店。素材が持つ甘さにこだわり、エクアドル産のバナナを以前から使用していますが…

ばななスタンド・黒田康介オーナー「フィリピンは(輸入バナナの)大部分を占めているので、そこの出荷が滞るとなると、(店の)バナナジュースの(エクアドル産)バナナも値段が長期的には上がる可能性がある」

ほかの産地のバナナの価格に今後、影響が及ぶことを懸念しているといいます。

さらに品薄には別の大きな要因も。家庭での需要が急増しているといいます。宅配を行う会社では…

パルシステム・植田真仁さん「バナナについては直近で前年比1.5倍の注文をいただいている。(加工や運搬の負担が)キャパオーバーを迎えて、徳用のバナナについては取り扱いを中止している」

多くの利用客に届くよう、一部商品の販売を中止。都内のバナナ輸入会社は、巣ごもりで消費が急に増えたことが品薄の原因のひとつとしていて、現状、輸入量は安定しつつあるため、慌てて購入しないことが大事だと呼びかけています。