×

和太鼓奏者めざす17歳、プロの門をたたく

2020年3月23日 3:16
和太鼓奏者めざす17歳、プロの門をたたく

青森県七戸町の高校を卒業した若者が新しい道に挑戦する。和太鼓奏者をめざして、プロの門をたたく姿を追った。

七戸町の公園でランニングしている若者は、齋藤駿さん(17)。プロの和太鼓奏者をめざし、毎日体力作りに励んでいる。地元の高校を卒業した齋藤さんは、来月、愛知県の和太鼓集団「志多ら」に研修生として入門する。

齋藤さんは、七戸町を拠点に活動する「八甲田太鼓」に所属している母親の影響で、小学2年生から和太鼓を始めた。プロの和太鼓奏者になると決心したのは中学2年生の時だった。

齋藤駿さん「プロの演奏を見て、自分も太鼓打ちとして、いつかはプロになりたいと思ったのがきっかけです」

「志多ら」は、和太鼓の伝統を受け継ぎながら、新しい文化の「創造」をテーマに活動している。去年の夏に行われた体験合宿に参加して、「志多ら」への入門を決意し、試験に臨んだ。

齋藤駿さん「結果が合格だと分かって、『頑張るぞ』という気持ちと、『やったぁ、プロの道に進める』という2つの思いになった」

和太鼓は、姿勢や打つ場所で音が変わる。力強い音を出すための稽古は難しいのだが、大勢の前で自分の気持ちを表現できるのが魅力。

齋藤駿さん「太鼓は表現が自由なので、自分を見せられるので、とても大好きです」

母親の雪子さんは、不安な気持ちもありながら、プロをめざす息子の背中を押した。

母親・雪子さん「自分で選んだ道で、大きな夢を掲げて、めげずに過酷な中で頑張っていってくれると思っています」

ただ、プロの奏者になれると決まったわけではない。2年間の厳しい稽古と、年に1回行われる試験に合格できなければ「志多ら」の正式メンバーになれない厳しい世界。

齋藤駿さん「今まで経験してきたことが生かされると思うので、厳しい稽古やトレーニングも大変だとは思っていない」

一緒に演奏してきた先輩たちはエールを送り、今後の活躍を期待していた。

八甲田太鼓の先輩「青森県にも、こんないい打ち手がいるというのを、見せてもらいたい」

八甲田太鼓の先輩「お客さんに感動を与えられる太鼓打ちになってほしい」

八甲田太鼓・田島政義会長「もうひとつ上をめざしたいということで、みんな仲間として、元気よく頑張ってもらうように応援しています」

齋藤さんは、あらためてプロになる気持ちを高めていた。

齋藤駿さん「今後は、厳しいトレーニングや稽古も頑張っていき、お客さまが見て楽しめる演奏者になっていきたいと思います」

プロの和太鼓奏者として地元で演奏をすることを目標に、齋藤さんの挑戦が始まる。