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大変革期の銀行業界 生き残り策は?

2019年12月29日 11:59
大変革期の銀行業界 生き残り策は?

安定した経営の象徴だった銀行業界が今大きな変革期を迎えている。生き延びるために銀行はどう変わろうとしているのか。広芝記者のリポート。

三菱UFJ銀行の店舗を訪れると、普段目にするカウンターがない。ネットバンキングの普及で、多くの銀行が店舗を削減している中、こちらの支店では最新のデジタル機器を導入し、顧客が自分自身で手続きをする仕組みに変えた。

コンシェルジュがおすすめするのは、スマホのアプリ。キャッシュカードの再発行手続きなども来店することなく簡単にできるという。

三菱UFJ銀行 マーケティング・事業開発部、田村雅紀さん「セルフ端末でお客様自身でやっていただくような店舗コンセプトをどんどん拡張していく」

2019年度の3大メガバンクの中間決算は最終利益が3社とも揃って減少。原因の一つは日銀が進める超低金利政策だ。お金を貸してその金利で利益を得るこれまでの商売の仕方だけではもはや生き残れなくなっている。

三井住友銀行は住宅街のマンションの1階に新たな店舗を開設した。個人の顧客専用の店舗だ。店内には相談用の個室を用意。富裕層をターゲットにしている。

千葉銀行は新規に口座を開設する際、原則、紙の通帳を発行しないことにした。その代わりは「デジタル通帳」。過去10年分の取引をみることができる。

千葉銀行 営業企画部デジタル企画室・長嶋明大室長「紙の通帳については紙の印刷代等の費用がかかり管理費用もかかる」

紙の通帳をなくすことでコスト削減につながるとしている。

さらに三菱UFJ銀行では一定期間取引がない口座から手数料を取る方向で検討に入った。経営環境が厳しくなる中、銀行は生き残りをかけた改革を進めている。

業界に逆風が吹く中、なにを残して、なにを変えていくのか、各銀行のかじ取りが来年も注目される。