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スキー場の救世主!? 進化する“ゲレ食”

2019年12月27日 20:36
スキー場の救世主!? 進化する“ゲレ食”

28日から最大で9連休だが、今年、各地のスキー場で懸念されているのが雪不足。そんなスキー場が活路を見いだそうと今、力を入れているのがゲレンデで食べる食事“ゲレ食”。新メニューの開発が行われ、あの名店が登場した。

国内屈指のスキーリゾート・長野県志賀高原。スキー場にとってはまさにかき入れ時だが、この冬は暖かい日が続いている。

志賀高原リゾート営業企画・本山浩二さん「(雪が)非常に少なかったです」

スキー客の出足は遅め。多くのスキー場を抱えるこの地域にとって死活問題だが、この窮地に救世主が現れた。

1961年に東京・東池袋で開業し、2007年に閉店を迎えた日には長蛇の列ができた名店中の名店「大勝軒」が、志賀高原のスキー場に今月、オープンした。お昼時には、滑りを満喫して空腹を抱えたスキーヤーたちで店内は大にぎわい。そのお目当ては、つけ麺の元祖とされ、「東池袋大勝軒」を一躍有名店へと押し上げた「特製もりそば」だ。

お客さん「ゲレンデ近くでこんなのが食べられたら、これは最高ですね」

なぜスキー場に店を出すことになったのだろうか。

大勝軒next・田内川真介さん「うちの師匠の山岸が山之内町出身でして、志賀高原にいつかは大勝軒をという遺志を引き継いで」

今は亡き創業者・山岸一雄さんが長野県山ノ内町の出身だった。その故郷に錦を飾るため、まな弟子の一人の田内川さんが採算度外視でスキー場での出店を決断したという。ところが店がオープンするやいなや、いい意味でその予想は外れ、店は連日の大繁盛。

「大勝軒」の出店にスキー場は…。

志賀高原リゾート営業企画・本山浩二さん「非常に皆さん喜んでいただけるんじゃないですかね」

スキー客の集客につながる期待も聞かれた。

冬のレジャーとして、バブル時代に圧倒的な人気を誇ったスキー。ただ、その食事はというと、体は温まるものの、感動的な味とまでいかないものも…。しかし、そんな話はとうに昔。海鮮丼やローストビーフ丼など、ゲレンデの食事“ゲレ食”と呼び、写真をネットに投稿する人が増えている。

群馬県沼田市にある「たんばらスキーパーク」では、今年から初めての試みを行っている。スキー場内の2つの飲食店で丼とラーメンを対決させるグルメ対決企画だ。

山の麓にあるレストランでは、シンプルながらご当地の名産・上州麦豚を使うなど食材にこだわる角煮ラーメンと、ご当地グルメ「ソースカツ丼」で地元群馬の名物を前面に押し出した直球勝負。

一方、もう一つのカフェでは、トマトベースのスープにチーズをのせた変わり種のラーメンと、牛肉を使うから「ぎゅーっと」焼肉丼というだじゃれを交えた変化球勝負に。

客からアンケートをとる真剣勝負ということで、それぞれこの対決のために考えられた新メニューだ。そんなチャレンジが受けたのか、レストランは超満員になっていた。

進化する“ゲレ食”。スキーの楽しみがますます広がっている。