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鎌倉で全ハイキングコース通行止め 何が?

2019年11月12日 19:36
鎌倉で全ハイキングコース通行止め 何が?

異例の事態にあの有名な観光地で悲鳴があがっている。紅葉シーズンを迎えた鎌倉で、3つあるハイキングコースがすべて通行止めとなっている。

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頻繁に俳句でも詠まれる趣深い秋の鎌倉ハイキング。神奈川県の鎌倉市には、山間部に3つのハイキングコースがあり、多い所で年間24万人が訪れるという。この時期は、紅葉目当てに大にぎわいのはずだが…。いずれのコースも通行止めになっている。

理由は…登山道で軒並み大木が倒壊。2か月前、関東を襲った台風15号の影響で、コース内は倒木や地滑りが多発。そのため、市は台風通過後の9月12日から3コースを全面的に通行止めにした。

しかしそんな中、通行止めの道の前に1人の外国人観光客が…。すると、通行止めを無視してコース内に侵入。さらに、年配男性の団体も通行止めを気にせずコースの中へ。こうしたルールを守らない人々が相次いでいるという。看板前で立ち止まっていた人に声をかけると…、戻っていった。

こうした状況に、地元の人は――

葛原岡神社・崇敬会 嶋崎雄介副会長「だいぶ危険な道ですから」「ケガをされたらお気の毒だと思います」

危険を訴える地元の人の目の前でも、堂々とコースに入っていく人もいた。市は、このコースについて、ホームページでう回ルートを告知。足を踏み入れないよう、注意を呼びかけている。

また、この通行止めは周辺の観光産業にも影響を及ぼしている。

葛原岡神社・崇敬会 嶋崎雄介副会長「例年ですと今頃は(観光客が)かなりいっぱいなんですけど。パタッときませんので」

ハイキングコースの名物の玉こんにゃく店は、観光客の減少で売り上げが半減。台風前に仕入れた商品を廃棄せざるを得ない状況が続いている。

市は、ハイキングコース復旧などのため、災害支援寄付を開始。現在200万円以上が集まっているが、いまだ復旧のメドは立っていないという。