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ノーベル化学賞 旭化成の吉野彰さんに

2019年10月9日 19:16

ことしのノーベル化学賞に、携帯電話やパソコンなどに使われるリチウムイオン電池の生みの親として知られる旭化成・名誉フェローの吉野彰さんが選ばれた。日本のノーベル賞受賞は2年連続。

吉野彰さんは旭化成で充電池の研究に携わっていた時、たまたま社内でみつけた特殊な構造の炭素繊維を電池の開発に応用し、1985年に画期的なリチウムイオン2次電池の原型を開発した。

リチウムイオン電池は従来の鉛蓄電池などと比べ、小型で大容量という特性を実現。携帯電話やノートパソコンなど幅広い電子・電気機器に搭載され、現在のモバイル社会の礎を築いた。

市場規模は2兆円以上とも言われ、近年では、電気自動車の動力源としても採用されるなど、省エネや地球温暖化対策の分野でも応用が広がっている。

吉野さんは大阪府出身の71歳。大阪大学大学院を修了した後、旭化成で研究を続け、2017年から名誉フェローを務めている。日本の化学賞受賞は、2010年の鈴木章さんと根岸英一さん以来、9年ぶり8人目で、これで日本のノーベル賞受賞者は27人となった。

授賞式は12月にスウェーデンのストックホルムで行われる予定。