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観光バス“お断り”へ…春日大社で異例決断

2019年9月19日 19:13
観光バス“お断り”へ…春日大社で異例決断

紅葉スポットでも知られる世界遺産の異例の決断に波紋がひろがっている。奈良県にある春日大社の駐車場で観光バスを来月から土日などに“お断り”する事態となった。一体何があったんだろうか?

1200年以上の歴史がある世界遺産。奈良市の「春日大社」。その駐車場では、観光バスを中心に270メートルの大行列。

観光バスの運転手「30分くらい並びました」

観光バスは去年の1.5倍に増えているという。しかし、来月・再来月の土日祝日に関し、観光バスの入場を禁止にした。その理由の1つが…。

every.「バスから降りた観光客が春日大社でない方向へ向かって行きます」

近くには、東大寺など、多くの観光スポットもあり、その間、バスは長時間駐車している。そのため、道路が渋滞し一般客が駐車場に入れない事態になっている。

春日大社、北野治権禰宜「(春日大社で)神様に手を合わせることができなくなっているというのを、非常に我々は恐れますので」

秋の七五三シーズンに子供たちが来られない懸念を払拭したいという。実は、この駐車場を使う観光バスが急増した一因に考えられるのが…。

観光バスの運転手「バスターミナルというのは乗降だけしかできないので、なかなか使いにくいというのはあると思います」

使いにくいと話したのは、奈良県が今年4月、駐車場があった跡地に45億円かけて新設したバスターミナル。施設内には奈良市の模型をはじめ展示物や飲食店など盛りだくさん。このターミナルに観光バスを呼び込もうとした。しかし…。

every.「駐車しているバスは見当たりません」

利用台数は、県が予想した2か月で2万台という数値を大幅に下回り、約7000台だった。利用者が少ないのには、このような理由が…。

観光バスの運転手「乗降ができるというだけで、予約がとれれば。また別の駐車場にバスは回送しないといけない」

予約が必要な上、バスターミナルに駐車することはできず、バスは、県が指定した2か所の駐車場に移動しなければならない。

利用のしづらさによって、春日大社にバスが流入。奈良県は、ターミナルの利用条件の緩和を始めているが、バスの増加につながるのだろうか。