×

岐阜の山奥に“黒いダイヤ”国内生産へ研究

2019年3月10日 3:30
岐阜の山奥に“黒いダイヤ”国内生産へ研究

“黒いダイヤ”とも呼ばれる高級食材が、岐阜県御嵩町の山奥で見つかった。この食材、いま流通しているのは輸入品だが、国内で生産できないかと研究も進められていた。

世界三大珍味の一つ「トリュフ」。イタリア料理などによく使われ、高級食材として知られている。

cinque5代表・間瀬貴稔さん「口に入れる食べ物の中では世界で一番高い食材と言われている。(黒トリュフは)1キロあたり20万円から30万円ほどしますので…」

トリュフは国内で生産しておらず、流通しているのは輸入されているもの。そんな超高級食材トリュフが発見された町が、東海地方にある。

発見したのは、岐阜県御嵩町に住む平田悟さん。13年前にギフチョウの幼虫を探していたところ、偶然に発見したという。

トリュフを発見した平田悟さん「少しだけ妙なものが(地面から)頭を出していまして、掘りだしたら実はトリュフだった」

見つけたトリュフを鑑定してみると、当時最高級の黒トリュフに近い品種であることが分かった。

トリュフとは、ヨーロッパなどを主な産地とするキノコの一種。森林研究所によれば、土の中で菌が繁殖してつくられ、トリュフの匂いに反応する豚や犬などが収穫を手伝うという。

岐阜県では、御嵩町で見つかった以外にトリュフは発見されていない。いったいどこを探せば出てくるのだろうか。

トリュフを発見した平田悟さん「(Q:どのあたりで見つけたのか?)いろいろ約束があって言えません。この山のどこかですよね。(Q:方角だけでも…)方角もちょっと、御嵩町は狭いので言っちゃうと分かっちゃいますので」

山が荒らされるのを防ぐため、発見場所は教えてもらえなかった。
トリュフは国内でいくつか発見されているが、ナゾが多く、生産するまでには至っていない。そこで、海外に頼らず、国内で生産できないかと、4年前から岐阜県などで研究が進められている。

岐阜県森林研究所・水谷和人さん「小さな苗木にトリュフの菌を感染させるということを行ってきて、野外の路地に植えたり、大きな林の木の近くに植えて(様子を見ている)」

ヨーロッパの人工栽培とほぼ同じ方法だそうだが、環境の違いでトリュフの菌が安定して発生する確率は、まだ低いという。

岐阜県森林研究所・水谷和人さん「海外でも感染苗木を植えて、うまくいっても7年とか(かかる)。私たちも7年以内にはうまく(トリュフを)出せないかなと、目標にして進めているところ」

国産トリュフにお目にかかるのは、まだちょっと時間がかかりそうだが、流通するようになれば、いまよりもお手頃になる日が来るかもしれない。