×

TPP実現難しく…政府の今後は?記者解説

2016年11月22日 19:28
TPP実現難しく…政府の今後は?記者解説

 TPPの実現可能性が極めて難しくなったという状況を受けて、日本は今後、どう対応していくのだろうか。日本テレビ・古谷朋大記者が解説する。


――トランプ氏の“TPP脱退表明”を受け、日本政府は?

 日本政府内にはトランプ氏がひょっとしたら、就任までに考え方を変えるのではという淡い期待もあったが、今回の発言で冷や水を浴びせられた形だ。

 ただ、日本としては、それでもトランプ氏の説得を続けていくしかないという姿勢で、ある外務省幹部は「自由貿易はアメリカの利益になると説得していくしかない」と話している。ただ別の政府関係者は「長期戦になるだろう」とも話しており、翻意を促すのは容易ではないという見方が広がっている。


――アメリカが態度を変えない限り、自由貿易の枠組み作りは難しいか?

 日本やアメリカ以外のTPP交渉参加国からは、アメリカを外して新たな枠組みを作るべきだという声も出ているが、これは日本としては避けたい。

 なぜなら、アジア太平洋地域での自由貿易構想には、日米主導の「TPP」と中国を中心とする「RCEP」の2つがあり、日本は両方に参加している。発効が難しくなったからといってTPPの枠組みを外してしまうと、中国の存在感が高まる展開になってしまう。

 日本政府としてはこうした事態を避けるためにも、トランプ新政権に対し粘り強く交渉を続ける考えだ。