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【党首討論】選挙戦突入へ9党首が激論

2016年6月21日 22:32
【党首討論】選挙戦突入へ9党首が激論

 参議院選挙の公示を22日に控え、与野党の党首によるテレビ討論が行われた。この中で安倍首相は、消費税率引き上げの再延期により社会保障費の財源が不足することへの対応として、低所得の年金受給者に対する年6万円支給を先送りする考えを示した。

 安倍首相「低所得者の年金の給付金これは6万円のものでありますが、これはなかなか今すぐこれをできるという状況ではありません」

 一方、安倍首相は、介護や子育て支援については優先的に財源をあてていきたいとしている。これに対して公明党の山口代表は、現時点で優先順位をつけるべきではないとの考えを示した。

 公明党・山口代表「今から優先順位を決める必要は必ずしもない。いろんなところで財源を生み出す努力が必要だと思います」

 一方、民進、共産、生活、社民の野党各党の党首はアベノミクスは行き詰まっているなどと厳しく批判した。

 民進党・岡田代表「最大の牽(けん)引車はやっぱり円安株高だったんですね。いつまでもラッキーな状態は続かないだろうなと思います」

 共産党・志位委員長「(安倍首相は)雇用がよくなったとおっしゃるんですが、増えたのは非正規雇用で3年間で取りますと167万人増えております。しかし、正社員は36万人減っている」

 生活の党と山本太郎となかまたち・小沢代表「実質賃金も下がっている。そしてまた、格差があらゆる分野で進んでいるということでちょっと点数は付けられない」

 社民党・吉田党首「大企業の内部留保は366.7兆円という史上最大になってきます。しかし、労働者の賃金は5年連続マイナス。貧困層も増えています」

 また、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党、新党改革の各党もアベノミクスの課題を指摘した。

 おおさか維新の会・松井代表「景気がよくなったということが国民のみなさんに伝わってはいません。規制を緩和してどんどん新しい、そこに挑戦しようとする、そういう企業を増やしていくべきだ」

 日本のこころを大切にする党・中山代表「アベノミクス、金融政策は本当に必死で行われています。ただ、財政政策はまだまだ足りていません」

 新党改革・荒井代表「道半ばですから50点しかつけられないんですね。格差是正を含めてこれからでしょう。アベノミクスはこれからが本番だと思います」


■憲法改正をめぐる議論

 また憲法改正をめぐり、民進党の岡田代表と共産党の志位委員長は自民党が憲法改正草案に盛り込んでいる「9条の改正」について認められないとの考えを示した。

 民進党・岡田代表「9条の憲法改正草案自民党のこれは集団的自衛権を裸で認めるものです。これは、全く国のあり方が変わるわけで私たちは認めるわけにはいかない」

 共産党・志位委員長「自民党改憲案の中には9条2項を削除して自衛軍を保持して、こうなりますと集団的自衛権にしても海外派兵にしても全く無制限にやれる」

 これに対して安倍首相は、自民党の草案が「そのまま通るとは全く思っていない」とした上で、憲法のどの条文を改正するかについては国会での与野党の議論にゆだねる考えを示した。

 安倍首相「憲法審査会においてどの条文をどう変えていくかということを議論して、その後の国民投票です。憲法審査会は開いていくのは、まさに私たち政治家の責任ではないか」

 一方、公明党の山口代表は9条の改正は当面必要ないとの考えを示した。

 公明党・山口代表「政府としては平和安全法制を作ったわけで、憲法解釈として今の9条のぎりぎりの解釈をちゃんと示したわけですから、これに基づいて当面、平和安全法制を実施していく。これが総理大臣の責任なんです」

 参議院選挙は22日に公示され、来月10日に投開票が行われる。