×

2閣僚スピード辞任…なぜ?政治部長が解説

2014年10月27日 11:20
2閣僚スピード辞任…なぜ?政治部長が解説

 今月20日に小渕経産相と松島法相が相次いで辞任したことについて、日本テレビ政治部の伊佐治健部長が解説する。

 一日に2人の閣僚が辞めるのは異例中の異例。政権内には衝撃が大きすぎると心配する声もあったが、閣僚が時間をおいて次々に倒れていくという形を避けたかったとみられる。

 2006年からの第一次安倍内閣では、事務所費の不適切な経費計上問題で「なんとか還元水」という答弁が話題になった松岡農水相や、ばんそうこうを付けた会見が印象的だった赤城農水相など、5人の閣僚が次々と交代し、「ドミノ倒し」と言われた。

 当時は、閣僚が辞めるとともに内閣支持率もじり貧となり、政権の体力は失われていった。今回もこのような事態に発展する可能性を避けるためにダブル辞任で幕引きを図る賭けに出た。

 しかし、安倍首相にとって頭が痛いのは江渡防衛相、そして塩崎厚生労働相ら複数の閣僚が野党の追及を受けていること。政権内では致命的なものはないとの見方が強かったが、ダブル辞任で、辞任のハードルが下がることを懸念する声もある。今後も国会での追及は一層強まるとみられる。

 自民党内からは、これまであまりに順調だったため守りに回ると弱いのではと心配する声もある。政権の頼みの綱は支持率だが、NNNの世論調査(10月17日~19日)によると、内閣支持率は47.5%と前月比3.4ポイント減となった。

 気になるのが、経済政策“アベノミクス”への期待が内閣支持率とは別に下がり続けていること。第三の矢・成長戦略の中核の「女性の活躍」の看板に傷が付いたことは痛い。また、ある閣僚経験者は、国民の理解が必要な消費増税の決断が控える中で、お金の問題で国会議員への信頼が揺らいだことは大きなマイナスだと話している。

 「女性の活用」「地方創生」政策の方向性自体には国民の支持がある訳であり、実行実現に向けて正念場となっている。