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ロシア、択捉島に新港湾施設を完成

2014年8月6日 23:37

 北方領土の択捉島に新たな港湾施設が完成したことがわかった。ロシア政府が国家予算で建設したもので、北方領土の実効支配を強化する狙いがあるとみられる。

 ロシア・サハリン州政府は5日、北方領土の択捉島で建設が進められていた港湾施設が完成したと発表した。ロシア政府の「クリル社会経済発展計画」の一環として日本円にして約40億円が投じられ、大型のフェリーが発着できる埠頭(ふとう)やターミナルが新設された。

 建設工事には韓国企業も参画したが、日本政府は北方領土での外国企業の経済活動はロシアの法的な立場を認めることになるとして反対する立場をとっている。しかし、これまでにも北方領土で北朝鮮や中国の労働者が建設工事や農業生産に関わっていたことが明らかになっているほか、新設されたターミナルにはロシアの国家機関が入ることからロシア政府は外国人の労働者や観光客をさらに受け入れる可能性もある。

 ウクライナ情勢をめぐる日本や欧米による制裁で北方領土交渉への影響が懸念される中、ロシアは北方領土のインフラ整備を進めることにより、北方領土の実効支配を強化する狙いがあるとみられる。