政権要職にも女性“抜てき”米報道官に密着
安倍首相が成長戦略の柱のひとつとして打ち出している「女性の社会進出」。実は、アメリカのオバマ大統領も力を入れている。そのオバマ政権でメディア対応の要職に登用されている女性を取材した。
オバマ大統領「女性に機会を与えよう!女性の成功は、アメリカの成功につながるからだ!」
先月28日、今年の施政方針を示す一般教書演説で、経済成長のカギは女性の活用にあると明言したオバマ大統領。政権の中枢に2人の女性を登用している他、金融政策の司令塔である連邦準備理事会のトップにも初めて女性のイエレン氏を抜てきした。
外交を担う国務省。その一言一言がアメリカ外交を代表する、「報道官」という要職も女性が務めている。ジェニファー・サキ報道官(35)はオバマ大統領の選挙スタッフから頭角を現し、ホワイトハウスの副報道官を勤めた後、国務省の報道官に抜てきされた。身長160センチとアメリカ人女性としては小柄なサキ報道官のために台が用意された。
サキ報道官「同じスーツを毎日着られなかったり、髪形もこんなふうにはねないように女性としては気を使いますね」
虎の巻はバインダー。どんな質問にも対応できるよう、毎日、内容を更新しているという。
サキ報道官「内容はお見せできませんが、日本のページがあるでしょう?ここに『JAPAN』って」
日本に比べれば女性の社会進出が進んでいるというイメージがあるアメリカだが、国務省の歴代報道官28人の中で、女性はわずか4人。このうち2人が、オバマ政権で誕生している。
この背景について、アメリカの女性政策に詳しいヘリテイジ財団上級研究員・横江公美さんは「アメリカの場合、女性だからあげる(昇進させる)ようになっていない。女性が実力をつける環境が充実してきていると思う」と語る。
今後、女性がさらに活躍するカギについて、サキ報道官は「20代の女性たちをどう登用するかは重要だと思います。将来、彼女たちが重要な役職につくかもしれないからです。現政権の積極的な女性登用が、今、大学に通うような若い女性たちの政府で働く機会を増やすと願っています」と指摘した。