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“家族失った復讐”が動機か 天安門前炎上

2013年11月4日 18:23

 中国・北京の天安門前で車が突入、炎上した事件から、4日で1週間となった。中国当局が事件はウイグル族によるテロと断定する中、犯行の動機は、過去の騒乱に絡み、家族を失ったことへの復讐(ふくしゅう)との可能性を指摘する声が浮上している。

 事件から1週間となった4日、現場の天安門前は、厳しい警備態勢が敷かれていて、車が突入して壊れたとみられる橋の欄干は、すでに修復されていた。

 中国当局は、今回の事件を、ウイグル独立派組織の指示による「テロ」と断定している。そうした中、アメリカ政府系ラジオ局「自由アジア放送」は、実行犯の3人を知っているとみられる人物の話として、犯行の動機は、4年前、新疆ウイグル自治区で起きた騒乱に絡んで、「親族を亡くした復讐のため」との可能性を伝えた。

 一方、北京に住むウイグル族の学者が、2日、公安当局の車に追突されたうえ、脅迫されていたことがわかった。

 イリハム・トフティ准教授「なぜ車をぶつけたのかと聞くと、(公安当局は)『メディアの取材に自分が何を言ったかわかるだろう。ぶつけて殺すぞ』と言いました」

 イリハム氏は、海外メディアの取材に応じたことで、警察当局から妻子を含む家族全員を殺すと脅されたと話した。

 イリハム氏は先週、NNNのインタビューで、今回の事件を中国当局がテロと断定していることについて、「断定するには証拠が少ないのではないか」と疑問を呈していた。中国当局による、ウイグル族への厳しい締め付けが懸念されている。