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瀬戸大橋に11か所の亀裂見つかる

2013年4月9日 21:03
瀬戸大橋に11か所の亀裂見つかる

 20世紀最大のプロジェクトとされた、香川県と岡山県を結ぶ瀬戸大橋は10日、開通25周年を迎えるが、橋の道路部分を支える鉄製の継ぎ目部分に11か所にわたって亀裂が見つかっていた事が明らかになった。09年の点検で既に見つかっていた。

 亀裂が見つかったのは香川・坂出市の岩黒島と櫃石島にかかる2つの橋で、道路部分を支える鉄製の継ぎ目に合わせて11か所あった。本州四国連絡高速道路会社(本四高速)によると、亀裂はいずれも5ミリ前後で、2009年10月の点検時に初めて見つかったという。

 1988年に開通した瀬戸大橋は、香川県と本州の岡山県を結ぶ道路と鉄道の併用橋としては世界で最も長い橋で、関係者によると、鉄道部分は100年以上持つ構造だが、道路部分についての疲労は想定していなかったという。1日当たり平均2万台の交通量による負荷が金属疲労を招いたとみられている。

 しかし、専門職員による点検は目視でしか行えず、鉄道が通過する度に中断するため、限界があるという。

 本四高速では、応急処置として亀裂の表面やサビを防ぐために塗装しているが、今後の具体的な対応策については検討中と述べるにとどめている。

 たちまち通行に支障がないため、公表されなかった亀裂だが、今後、橋を維持していく上での影響が懸念される。新たな課題が浮き彫りとなる中、瀬戸大橋は25周年を迎える。