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国立研究所長が他人の論文を無断引用

2010年1月7日 20:50
国立研究所長が他人の論文を無断引用

 国立社会保障・人口問題研究所の所長が86年に発表した論文の一部が、ほかの研究者の論文から無断で引用されていたことがわかった。

 問題となっているのは、国立社会保障・人口問題研究所の京極高宣所長(67)が、旧厚生省の専門官だった86年に海外の社会福祉について著した論文。この中で、フランスの社会福祉について書かれた文章の約7割が、当時の国立国会図書館の調査員が書いた論文から無断で引用されていた。

 京極所長は「無断引用になるおそれがあるということは、了解が取れていなかったのは、そう言われても仕方ない。ただ、国際比較の視点で整理し直しているし、リライトしているし、民間等つけかえているので、それは構わないと思った」と話し、ほかの国に関する部分でも出典を書かずに他人の論文を引用したことを認めているが、上司が了解を取ったと思いこんでいただけで、盗用ではないと説明している。