亡き娘の名前にちなんだ駄菓子屋 店に込めた母親の思い

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福岡2022.01.13 18:40

福岡市内に11日、新しい駄菓子屋がオープンしました。店の名前は『ちとせや』です。店長の娘で、7歳で亡くなった女の子の名前から付けられました。

店にならぶのは大人には懐かしく、子どもたちには珍しいおかしです。カラフルな餅飴。くじつきのラムネなどです。店には、子どもたちの笑顔があふれます。11日にこの駄菓子屋をオープンさせたのは添田友子さんです。

■千歳さんの母親・添田友子さん
「千歳の思いをつなぎたい、その思いでしか、前を向くことができないし、その思いを忘れたくない。」

店の隅に飾られた少女の写真。添田さんの二女・千歳さんです。長い闘病生活の末、7歳で亡くなりました。

■千歳さん
「もう6歳だよ。やさしい6歳になりたい。」

誕生日にカメラの前で笑顔を見せる千歳さん。この1年後、2018年に亡くなりました。急性リンパ性白血病が原因でした。

■添田さん
「夢であってほしいというか信じられなかった。」

千歳さんが白血病を発症したのは3歳の時。2年半におよぶ治療を経て、一時体調は落ち着きました。そして。

■千歳さんの父親・晃さん
「千歳が緊張しています。」

楽しみにしていた小学校の入学式を迎えることができました。しかし4か月後、病気が再発しました。この年の夏以降、学校に通うことはできなくなりました。闘病中の千歳さんが、お母さんにあてた手紙です。

■千歳さんの手紙より
「結婚記念日なのに、何もできなくてごめんね。また美味しいご飯作ってね。ママ大好きだよ。」

一緒に添えられていたのは駄菓子でした。自宅から約7キロ離れた場所に住む祖母が営んでいた駄菓子屋は、千歳さんがお気に入りの場所だったと言います。

■添田さん
「とってもうれしかった、そのころは、治療法がないと言われて、不安が大きくて、自分たちの結婚記念日なんて、これっぽちも覚えていなかったし、そんな中、千歳は病気のことだけじゃなくて、心も成長していた。」

闘病生活の中で千歳さんは、人の役に立ちたいという思いを抱きます。

自宅療養を続けていた2年生の夏、小児がんの子どもへの街頭募金活動に参加しました。そして、その1週間後に旅立ちました。

千歳さんが抱いた周囲への感謝の思いを形にしたい。母親の駄菓子屋を継いでいた添田さんは、地域の子どもの居場所になればと自宅近くに新たな駄菓子屋を開くことを決めました。

千歳さんの思いを忘れずにつないでいくという意味を込めて、店名は『ちとせや』にしました。

■添田さん
「大きくなった。」

千歳さんの同級生も訪れました。

■小5男児
「思い出した。一緒に遊んだ、鬼ごっことか。(また)来たい。」

■添田さん
「(千歳から)周りの人にありがとうという気持ちを持って頑張ってね、と言っているような気持ちがする。ふと立ち寄りたくなる場所というかそこに行けばきっと笑顔に会える誰かがいて、話ができるそんな、ほっとできる居場所であれば。」

千歳さんが見守る中、新たな地域の居場所として生まれた駄菓子屋は、亡き娘の思いとともに添田さんは1歩を踏み出しました。

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